ツレス島

ツレス島

ツレス島（クロアチア語：Cres）は、ダルマチア北部のクヴァルネル湾に位置する美しいクロアチアの島です。面積は405.78平方キロメートルで、近隣のクルク島とほぼ同等のサイズを持ち、2001年時点での人口は3,184人でした。ツレス島へのアクセスは、クルク島やイストリア半島からのフェリーが便利です。

ツレス島は、かつてはロシニ島と一体であったものの、現在は海峡によって隔てられています。しかし、ツレスの町オソルとの間には橋が架けられています。さらに、島内には淡水湖のヴラナ湖が存在し、独特の自然環境を形成しています。

歴史

ツレス島は旧石器時代から人々が居住しており、その後はローマ帝国の支配下に置かれました。ローマの衰退後、東ローマ帝国に支配され、7世紀にはクロアチア人がこの地域に侵攻するも、8世紀初めには支配を失います。822年頃にクロアチアが独立国家を形成し、その後もヴェネツィア共和国など様々な勢力の影響を受けながら歴史を歩んできました。

ナポレオン戦争の影響で、島はオーストリア領になり、ここで農業が発展し、経済が成長しました。第一次世界大戦後の1920年にはラパッロ条約によりイタリア領となり、その後1947年には再びクロアチアに属することとなりました。戦後の共産主義体制の影響で多くの住民が島を離れることになり、農業は衰退しましたが、最近では一部の元住民が戻り、再度産業が活気づいています。

ツレスの町村

ツレス島の町村は、島の中央部を走る道路で結ばれています。道路の一端には本土からのフェリーターミナルがあり、もう一端にはロシニ島への橋があります。主要な町は以下の通りです。

• - ポロジナ（Porozina）: フェリーターミナルと数軒の商店がある小さな集落。
• - ベリ（Beli）: 狭い農道の終着点で、シロエリハゲワシが生息している。
• - ツレス（Cres）: 町の中心部で観光店やレストランが集まっている。
• - ルベニツェ（Lubenice）: 古い山村で美しい海の眺めを楽しむことができる。
• - ヴィドヴィツィ（Vidovici）: 美しい風景が広がる村。

各町村は独特の魅力を持っており、訪問者はその自然や文化に触れることができます。

ツレスの町

ツレスの町は観光客に人気のスポットです。中心部では地元の特産品であるオリーブオイルやワインを販売する店が数多く立ち並びます。町は自動車の立ち入りが禁止されており、狭い道を徒歩で歩くことが必要です。街並みはイタリアの小さな町を思わせる風情が漂っています。

ヴラナ湖

島の中に位置する淡水湖ヴラナ湖は、美しい自然に囲まれたスポットです。ただし、泳ぐことや釣りは禁止されています。湖は東欧でもまた深く、最深部は76メートルに達します。この湖には修道院の跡と共に伝説があります。

ヴラナ湖の伝説

伝説では、湖の底にはかつて裕福な姉娘が住んでいた城があるとされています。彼女は貧しい妹に何も恵まなかったため、雷雨の中で城が水に沈められるという罰を受けたと言われています。嵐が去った後には湖ができ、今でも風の強い日に鐘の音が聞こえると伝えられています。

ツレス島は、豊かな歴史、自然、文化が融合した魅力的な場所です。訪れることで、多くの発見と癒しの時間を得ることができるでしょう。

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