テアトロ・レアル

テアトロ・レアル、通称「王立劇場」は、スペイン・マドリードにある由緒ある歌劇場です。1850年10月10日、ガエターノ・ドニゼッティのオペラ『殉教者』で華々しく幕を開けました。しかし、その後は経営難に苦しみ、1925年に一時閉鎖を余儀なくされました。

劇場は1966年に大規模な改修を経て再オープンし、再びマドリードの文化シーンの中心としての地位を確立しました。特筆すべき出来事として、1969年にはユーロビジョン・ソング・コンテストが開催され、史上初の4カ国同時優勝という劇的な結末を迎えました。これはスペイン国内でユーロビジョンが開催された唯一の事例となっています。

また、2012年以降、毎年12月22日には、スペインの年末恒例の宝くじ「ソルテオ・エクストラオルディナリオ・デ・ナビダ」（通称ロテリア・デ・ナビダ）の抽選会がテアトロ・レアルで開催され、その模様はテレビやラジオで生中継されています。劇場は、芸術の殿堂としてだけでなく、国民的なイベントの舞台としても重要な役割を果たしています。

現在、テアトロ・レアルでは、劇場専属のマドリード王立劇場管弦楽団がオペラ公演を中心に演奏活動を行っています。世界的に著名なオペラ歌手や指揮者を迎え、質の高い舞台芸術を提供し続けています。

2020年には、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックがスペイン国内にも拡大し、テアトロ・レアルの公演も大きな影響を受けました。同年7月に再開されたヴェルディのオペラ『椿姫』の公演では、客席を2席ずつ空けるなど、感染防止対策を徹底。しかし、同年9月20日に行われた『仮面舞踏会』の公演では、客席の密集を懸念した観客からの苦情が相次ぎ、警察が出動する騒ぎに発展し、公演が中止となる事態も発生しました。劇場は、感染状況に応じて柔軟な対応を迫られています。

テアトロ・レアルへのアクセスは、マドリード地下鉄のオペラ駅またはソル駅が便利です。劇場は、マドリードの中心部に位置しており、観光名所へのアクセスも良好です。

テアトロ・レアルは、スペインのオペラ文化を代表する劇場として、その歴史と伝統を守りながら、常に新しい挑戦を続けています。今後も、世界中の人々を魅了する舞台芸術を発信し続けることでしょう。

公式サイト（スペイン語）

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