ティム・スコルド

ティム・スコルド（Tim Sköld、1966年12月14日 - ）は、スウェーデンが生んだ鬼才ミュージシャンです。その活動は多岐にわたり、プロデューサー、ギタリスト、そしてベーシストとして、ロック、インダストリアル・ミュージックシーンに多大な影響を与えてきました。

生い立ちと初期の音楽活動

スコルドは、1966年12月14日にスウェーデンのヴェストラ・イェータランドで生まれました。音楽好きの父の影響を受け、幼い頃から音楽に親しんで育ちました。11歳の時には、同級生とバンドを結成し、KISSやデヴィッド・ボウイなどの楽曲をカバーしていました。この頃から、音楽への情熱を抱き始めます。

大晦日のパーティーで、後にショットガン・メサイアを結成するハリー・コーディと出会い意気投合。「アメリカでロックスターになる」という夢を共有し、音楽活動への思いを強くしました。17歳で寄宿学校に入学しますが、音楽への情熱は冷めることなく、軍事機器工場で働きながら、週末にはハリー・コーディとリハーサルを重ねました。

19歳で、スコルドとハリー・コーディはスウェーデンのレコード会社にデモテープを持ち込み、King Pinを結成。スコルドはTIM TIM（ティム・ティム）という芸名で活動を開始しました。

King Pin〜Shotgun Messiah時代

King Pin結成後、スコルドはバンドメンバーと共に渡米。しかし、サンフランシスコに同名のバンドが存在したため、バンド名をショットガン・メサイアに変更しました。アルバム「Welcome To Bop City」をリミックスし、世界に向けてリリースしますが、ボーカルのジニー・J・サンが脱退。スコルドはコーディの提案を受け、本名のティム・スコルドとしてボーカルに転身し、ベーシストにボビー・ラインコンを迎えます。

2ndアルバム「Second Coming」は、ショットガン・メサイアの代表作として高く評価されましたが、スコルドとコーディ以外のメンバーが脱退。スコルドは再びスウェーデンへ戻り、インダストリアル・メタルを取り入れた3rdアルバム「Violent New Breed」を発表しますが、評価は分かれ、商業的な成功には至りませんでした。その後、スコルドとコーディはショットガン・メサイアを解散しました。

ソロ活動とKMFDM、MDFMKへの参加

ショットガン・メサイア解散後、スコルドは自身のソロ・プロジェクト「Sköld」を始動させました。作詞・作曲・演奏を全て自身で手がけ、プロデューサーのスコット・ハンフリーと共同で1stアルバム「Skold」をリリース。このアルバムの楽曲は、映画やゲームにも使用されました。

その後、ドイツのインダストリアルバンドKMFDMに正式メンバーとして加入。創始者のサシャ・コニエツコと共に、ボーカル、作詞、ベース、プログラミングを担当しました。KMFDMの活動休止後には、MDFMKを結成し、ユーロポップやトランスを取り入れた未来的なサウンドを展開しました。

マリリン・マンソンへの加入とその後

2001年、マリリン・マンソンのプロデューサーとして参加し、その後、ベーシスト兼プロデューサーとして正式に加入。アルバム「ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスク」では、ギター、キーボード、シンセサイザーなど、様々な楽器を演奏し、アートワークやプログラミングも担当しました。2004年にはギタリストに転向し、デペッシュ・モードの「Personal Jesus」をカバー。2007年にはアルバム「イート・ミー、ドリンク・ミー」をリリースしましたが、2008年にマリリン・マンソンを脱退しました。

現在の活動

マリリン・マンソン脱退後は、Doctor Midnight & The Mercy Cultというスーパーグループを結成。また、KMFDMのアルバムにプログラマーとして参加するなど、精力的に活動を続けています。ソロとしても、楽曲のリリースやアルバム制作を行っており、その才能は今もなお進化し続けています。

ティム・スコルドは、常に新しい音楽性を追求し、ジャンルを超えた幅広い活動で、多くのファンを魅了し続けています。彼の音楽は、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

もう一度検索