ティン・マシーンII

ティン・マシーンの通算2作目にあたるスタジオ・アルバム、『ティン・マシーンII』（Tin Machine II）は、1991年9月2日にヴィクトリー・ミュージックからリリースされました。結果として、この作品がティン・マシーン名義で発表された最後のスタジオ・アルバムとなりました。

アルバムのリリースに先立ち、または後に、収録曲の中から複数の楽曲がシングルとしてカットされています。特に本国イギリスにおいては、「ユー・ビロング・イン・ロックン・ロール」と「ベイビー・ユニヴァーサル」の2曲がシングル化され、それぞれイギリスのオフィシャル・チャートで最高33位と48位を記録しました。

本作に収録されている楽曲の中には、特筆すべきカバー曲も含まれています。「イフ・ゼア・イズ・サムシング」は、イギリスのグラムロックバンドとして知られるロキシー・ミュージックが1972年に発表したセルフタイトル・アルバムに収録されている楽曲のカバー・バージョンです。オリジナルとはまた異なるアプローチで演奏されています。

商業的な観点から見ると、このアルバムは期待されたほどの成果を上げられませんでした。リリース後、本国イギリスのアルバム・チャートでは最高23位にランクインしましたが、アメリカのビルボード・チャートではトップ100圏内に入ることすらなく、全体として商業的な失敗と評価されています。しかしながら、デヴィッド・ボウイが自身のキャリアの中で取り組んだバンド形態での活動という点では、重要な作品として挙げられます。

このアルバムには以下の12曲が収録されています。

ベイビー・ユニヴァーサル - "Baby Universal" (3:19)
ワン・ショット - "One Shot" (5:11)
ユー・ビロング・イン・ロックン・ロール - "You Belong in Rock'n Roll" (4:07)
イフ・ゼア・イズ・サムシング - "If There is Something" (4:45)
アムラプーラ - "Amlapura" (3:46)
ベティ・ロング - "Betty Wrong" (3:47)
ユー・キャント・トーク - "You Can't Talk" (3:09)
ステイトサイド - "Stateside" (5:38)
ショッピング・フォー・ガールズ - "Shopping For Girls" (3:43)
ア・ビッグ・ハート - "A Big Hurt" (3:39)
ソーリー - "Sorry" (3:38)
グッバイ・ミスター・エド - "Goodbye Mr.Ed" (4:23)

レコーディングには、バンドのコアメンバーに加えて、サポートミュージシャンが参加しています。主要メンバーは以下の通りです。

デヴィッド・ボウイ - ボーカル、ギター、サックス
リーヴス・ガブレルス - リードギター、オルガン
トニー・セイルス - ベース、ボーカル
ハント・セイルス - ドラムス、パーカッション、ボーカル

また、サポートメンバーとして以下のミュージシャンが参加し、アルバムのサウンドに貢献しています。

ティム・パーマー - パーカッション、ピアノ
ケヴィン・アームストロング - ギター、ピアノ

『ティン・マシーンII』は、その後のバンドの活動停止を考えると、ティン・マシーンというプロジェクトの終焉を飾る作品となりました。商業的な結果は振るわなかったものの、バンドが追求した音楽性を示すアルバムとして、その存在意義は大きいと言えるでしょう。

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