テオドラ・コムネナ (オーストリア公妃)

テオドラ・コムネナ（生年不詳 - 1184年1月2日）は、東ローマ帝国の皇族アンドロニコス・コムネノス（皇帝ヨハネス2世コムネノスと皇后ピロシュカの次男）の次女として生まれました。彼女はオーストリア公ハインリヒ2世の2番目の妃として知られています。

生涯

テオドラの幼年期に関する記録は限られており、詳しいことは分かっていません。しかし、彼女とハインリヒ2世の結婚は、神聖ローマ皇帝コンラート3世がコンスタンティノープルに滞在した際、テオドラの叔父である皇帝マヌエル1世コムネノスとの間で取り決められたと伝えられています。この結婚は、東ローマ帝国と神聖ローマ帝国との間の政治的な連携を強化する目的があったと考えられています。

ハインリヒ2世との結婚により、テオドラは3人の子供をもうけました。

アグネス（1154年? - 1183年）：ハンガリー王イシュトヴァーン3世の妃となり、後にケルンテン公ヘルマンと再婚しました。アグネスは若くして亡くなりましたが、その短い生涯の中で二つの重要な家系と結びつき、影響力を行使しました。
レオポルト5世（1157年 - 1194年）：父の後を継いでオーストリア公となりました。彼は十字軍に参加し、リチャード獅子心王を捕虜にしたことで知られています。レオポルト5世の治世は、オーストリアの領土拡大と権力強化の時代でした。
* ハインリヒ1世（1158年 - 1223年）：メードリンク公となりました。彼は父や兄とは異なり、領土経営に専念し、地域の発展に貢献しました。ハインリヒ1世は、その治世を通じて安定した政治を行い、領民からの信頼を得ました。

テオドラ・コムネナの生涯は、東ローマ帝国と神聖ローマ帝国という二つの大国の間で繰り広げられた政治的な駆け引きと、その中で生きた女性の物語を垣間見せてくれます。彼女の子供たちは、それぞれの立場で歴史に名を残し、彼女の血統を後世に伝えました。

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