テオドロス2世パレオロゴス

テオドロス2世パレオロゴス（1399年頃 - 1448年）は、東ローマ帝国の地方統治者であり、モレアス専制公を務めました。マヌエル2世パレオロゴス帝と皇后ヘレネ・ドラガシュの次男として生まれました。

生涯

1403年、テオドロス2世は幼少の頃に、カスティリャ王国の使節に謁見した際に、皇太子ヨハネスと共に紹介されています。1407年、叔父の死去に伴いモレアス専制公に就任しますが、幼少のため父マヌエル2世や兄ヨハネス8世が統治を補佐しました。マヌエル2世は、高名な学者ゲオルギオス・ゲミストス・プレトンを助言役として指名し、プレトンはモレアス専制公領再建のための『建白書』を提出しました。テオドロス2世はプレトンの尽力に報い、特権を贈与しました。

1417年、末弟トーマースがペロポネソス半島に来訪し、テオドロスは彼を共同統治者として扶養しました。1418年以降は自ら政務を執り、1421年にはローマ教皇の親族であるクレオパ・マラテスタと結婚しました。これは父マヌエル2世が東西教会関係改善のために行った政策の一環でした。同時期に、エピロス専制公カルロ1世トッコとの戦争を有利に進めました。

テオドロス2世は高い知性の持ち主でしたが、精神的に不安定な面があり、帝位への野心と修道士としての静謐な生活への憧憬の間で揺れ動きました。1427年には、兄帝ヨハネス8世に突然の引退と修道士入りを申し出ますが、ヨハネス帝に説得され、弟コンスタンティノス、トーマースと共に統治権を分担することに同意しました。

しかし、コンスタンティノスとトーマースが功績を挙げる一方で、テオドロス2世との関係は悪化し、特にコンスタンティノスとはヨハネス帝の後継者争いで対立しました。1443年、テオドロス2世はモレアス専制公領における全ての権限をコンスタンディノスに移譲し、帝位継承候補としてトラキア領土の統治職に就きました。

帝位への欲求を実現させることなく、1448年6月27日にセリュンブリアでペストに罹病し、修道士テオドレトスとして死去しました。

家族と子孫

妻クレオパ・マラテスタとの間に一女をもうけました。

* エレニ・パレオロギナ（1428年 - 1458年） - キプロス王ジャン2世と結婚

テオドロス2世パレオロゴスは、東ローマ帝国の衰退期において、複雑な政治情勢の中で翻弄された人物でした。彼の生涯は、帝位への野心と精神的な葛藤、そして兄弟間の権力争いによって彩られています。

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