テキサス・スタジアム

テキサス・スタジアムは、テキサス州アーヴィングに位置し、NFLのダラス・カウボーイズの本拠地として長きにわたり使用されたスタジアムです。1971年に開場し、カウボーイズがコットン・ボウルから移転して以来、数々の熱戦が繰り広げられました。

スタジアムは、11月から12月にかけてはハイスクールフットボールの会場としても利用され、1日に複数の試合が開催されることも珍しくありませんでした。また、カレッジフットボールの試合も頻繁に行われるなど、フットボールシーズン中はプロ・アマ問わず様々な試合が開催され、地域のアメリカンフットボール文化を支える重要な役割を果たしました。1972年から4年間は、NASL（北米サッカーリーグ）のダラス・トルネードの本拠地としても使用され、サッカーの試合も開催されました。

1973年にはプロボウルが開催され、2001年にはビッグ12カンファレンスの決勝戦が行われるなど、アメリカンフットボール界における重要な舞台となりました。1995年には、ペプシコとの間で大規模なマーケティング契約が締結され、スタジアムの運営を支えました。

しかし、老朽化が進んだため、カウボーイズは2009年にアーリントンに建設された新スタジアムへ移転することになりました。2004年には新スタジアム建設のための住民投票が行われ、公金投入が承認され、住民には特別消費税が課せられました。

2008年12月20日、テキサス・スタジアムでのカウボーイズ最後の試合がボルチモア・レイブンズとの間で行われました。プレーオフ進出をかけた重要な試合でしたが、カウボーイズは24-33で敗れました。試合後には、エミット・スミスやロジャー・ストーバックなど、多くのカウボーイズOBが参加し、惜別セレモニーが盛大に開催されました。カウボーイズはテキサス・スタジアムで38年間に213勝100敗という輝かしい成績を残しました。

そして、2010年4月11日、開場から39年の歴史に幕を下ろし、テキサス・スタジアムは爆破解体されました。

スタジアムの特徴

テキサス・スタジアムの最大の特徴は、その独特な屋根の形状です。観客席は屋根で覆われていますが、フィールド上には屋根がありません。当初は完全なドーム型にする予定でしたが、屋根の重さにスタジアムが耐えられないことが判明し、補強のための資金も不足したため、現在の形になったと言われています。この形状について、テキサスの人々は「テキサスでは神様もフットボールを見たいのさ」とジョークを飛ばしたそうです。

この半屋根形式のスタジアムは、ヨーロッパのサッカー場では比較的多く見られますが、アメリカでは珍しいタイプです。開場から長年経過し、塗装が剥がれてきたため、2006年の夏に初めて塗り直されました。

フィールドの人工芝は、開場以来「テキサス・ターフ」というタイプが使用されていました。これはアストロターフと同等の性能を持つものでしたが、2002年シーズンからは「リアルターフ」という、より柔らかいタイプの人工芝に張り替えられました。

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