ロジャー・ストーバック

ロジャー・ストーバックの足跡

ロジャー・ストーバックは1942年にオハイオ州シンシナティで生まれ、アメリカンフットボール界において偉大な功績を残したクォーターバックです。彼のキャリアは1969年から1979年まで続き、ダラス・カウボーイズに在籍していた間、チームをスーパーボウルに4度導きました。特に第6回と第12回スーパーボウルでの勝利は彼の名声を高め、多くのファンに「キャプテン・カムバック」という愛称で親しまれることとなりました。この名前は、試合の逆転勝利に貢献した彼の能力を称えたものです。また、ディフェンスを巧みにかわす様子から「ロジャー・ザ・ドジャー」とも称されています。

キャリアの始まり

ストーバックの経歴は特異なもので、海軍兵学校に在籍中の1963年にハイズマン賞を受賞しました。しかし、卒業後の5年間はアメリカ海軍の軍務に就く必要があったため、1964年のNFLドラフトでは10巡という低い順位で指名されました。1969年からダラス・カウボーイズでプレーを開始しましたが、最初はクレイグ・モートンの控えとしてのキャリアが始まりました。

1970年にはチームが第5回スーパーボウルに進出しましたが、惜しくも敗北。その後、1971年には先発QBとして出場し、マイアミ・ドルフィンズとの第6回スーパーボウルでの活躍が光ります。彼はパス19本中12本成功、119ヤード獲得、さらに2つのタッチダウンパスを成功させ、MVPに選出されました。この年、彼は初めてプロボウルに選ばれました。

思い出深いプレー

1972年のディビジョナルプレーオフでのプレーは特に印象的です。サンフランシスコ・フォーティナイナーズとの対戦で、ストーバックは交代出場し、逆転劇を演じました。残り2分を切ったところでの2つのタッチダウンパスは、ファンの記憶に深く残っています。

彼のキャリアの中でも特に有名なプレーといえば、1975年に実施した「ヘイルメアリー」と呼ばれるタッチダウンパスです。このプレーはミネソタ・バイキングス戦で決まったもので、ドリュー・ピアソンへのパスで試合を決める瞬間となりました。

スーパーボウルの栄光

彼はスティーラーズとのスーパーボウルでは接戦を繰り広げましたが、1978年にはデンバー・ブロンコスに対し、45ヤードのタッチダウンパスを成功させてチームに勝利の道を開きました。1970年代末には、再びスティーラーズとの対戦でも素晴らしいプレーを見せますが、最終的な結果は勝利には至りませんでした。

引退とその後

ストーバックは1979年に現役を引退するまでの11シーズンで、プロボウルに6度、オールNFCに5度選出されるなどの輝かしい実績を誇ります。また、通算パス獲得距離は22,700ヤード、タッチダウン数は153という成績を残しました。引退時には、彼よりも高いQBレイティングを誇る選手はオットー・グレアムだけでした。2011年にはカウボーイズ・スタジアムで開催された第45回スーパーボウルのホストコミッティー会長を務め、現在もスポーツ界での影響力を持ち続けています。彼はトロイ・エイクマンと共にNASCARのチームオーナーとしても活動しています。ストーバックの生涯と業績は、フットボールの歴史において永遠に語り継がれることでしょう。

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