テッド・リンジー

テッド・リンジーの足跡

テッド・リンジー（本名：ロバート・ブレイク・セオドア・リンジー）は、1925年にカナダのオンタリオ州レンフルーで生まれました。彼はレフト・ウイングとして名を馳せ、NHLのデトロイト・レッドウィングスやシカゴ・ブラックホークスで活躍しました。リンジーはその激しいプレースタイルから“テリブル・テッド”という愛称で親しまれ、多くのファンから愛されました。

若き日のリンジー

リンジーのホッケー人生は、父親の影響を受けてスタートしました。父親はアイスホッケー・リンクの管理をしており、息子にホッケーを推奨しました。アマチュア時代には、カークランドレークでプレー後、トロントのSt. Michael's Majorsに移籍。その活躍が評価され、1944年に19歳でレッドウィングスにトライアウトを受けることとなりました。興味深い逸話として、リンジーが現在のチームに加入するきっかけは、トロント・メープルリーフスのスカウトが彼の負傷を知らず、誤って別の選手を選んだことに由来しています。結局、彼は完治後に見事なプレーを見せ、レッドウィングスとの契約に至りました。

NHLでの成功

レッドウィングスでは、同僚のシッド・エイベルやゴーディ・ハウとともに「プロダクションライン」と呼ばれる強力なラインを形成しました。リンジーは当時5フィート8インチ（約173cm）、163ポンド（約74kg）という小柄な体格でしたが、そのフィジカルでオフェンス面でも粘り強いプレーを見せ、リーグのスター選手となりました。彼の激しいスタイルは評価され、現役時代には約700針もの顔面縫合のエピソードを持つことでも知られています。

1946年から1950年のシーズンにかけて、アート・ロス記念賞を受賞し、スタンレー・カップ優勝に貢献しました。リンジーがカップをリンクの端まで運び、観客に向けて見せびらかす行為は、今ではスタンレー・カップの伝統となっています。また、レッドウィングスの優勝に貢献しつつ、1957年にはんで初の選手会を設立したことで、経営者との対立が生まれることになりました。彼の行動は、選手の権利向上に向けた大きな一歩となりました。

現役を退いてから

リンジーは1960年に一度現役を引退しましたが、1964年に再びコーチのエイベルに誘われ、現役復帰を果たしました。再入団の年には、ブラックホークスからトレードによる復帰でしたが、この1年で引退しました。その後、1966年にはホッケーの殿堂入りを果たし、その背番号7はレッドウィングスの永久欠番となりました。

1980年代後半にはレッドウィングスのGMに就任し、チームの立て直しを見事に成功させ、NHLのエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。リンジーはアイスホッケー界での存在感を示し続け、伝説的な選手の一人とされました。

最後の日々

2019年3月4日、リンジーはミシガン州オークランドの自宅で93歳で亡くなりました。その生涯は、挑戦と成功、そして選手たちの権利向上に向けた取り組みで彩られています。彼の影響は今もなお、アイスホッケー界で生き続けています。

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