テッラ・マリアナ

テッラ・マリアナ（Terra Mariana）

テッラ・マリアナは、ラテン語で「聖母マリアの土地」を意味し、中世リヴォニアの公式名称です。この地域は、現代のエストニアとラトビアに相当し、リヴォニア十字軍の結果として成立しました。

歴史的背景

リヴォニア十字軍の影響

テッラ・マリアナの歴史は、1207年2月2日に神聖ローマ帝国の公国としての設立に始まります。しかし、1215年に教皇インノケンティウス3世がこの地域を教皇の直接支配下に置く旨を宣言したことにより、当初の地位を失いました。その後、教皇特使であるモデナのウィリアムの指導のもと、テッラ・マリアナは6つの封建的な公国に分割されました。この公国には、リガ大司教領、クールラント司教領、ドルパート司教領、エーゼル=ヴィエク司教領、リヴォニア帯剣騎士団領、そしてデンマークのエストニア領（1219年-1346年）が含まれます。

征服と支配の変遷

1227年、リヴォニア帯剣騎士団はエストニア内の全てのデンマーク領を征服しました。しかし、1236年に行われたシャウレイの戦いでの敗北を受けて、1237年には帯剣騎士団の残党がドイツ騎士団に取り込まれ、リヴォニア騎士団が誕生しました。1238年にはStensby条約に基づき、ドイツ騎士団がデンマーク領エストニアをデンマーク王に返還しました。

1346年には、デンマーク領エストニアがドイツ騎士団に売却され、この地域は再びドイツ騎士団の支配下に置かれることになりました。1410年のタンネンベルクの戦いでの敗北は、ドイツ騎士団の衰退をもたらしましたが、リヴォニア騎士団は独自の存在感を維持しました。

支配権を巡る戦い

テッラ・マリアナの存在していた期間には、支配権を巡る絶え間ない争いが見られました。教会、騎士団、世俗のドイツ貴族、そしてハンザ同盟都市の市民との間で権力が交錯しました。

1435年9月1日に発生したパバイスカスの戦いでは、リヴォニア騎士団が敗北し、この敗北が周囲の地域の結束を促すきっかけとなりました。

12月4日には、リヴォニア連盟合意がリヴォニア騎士団、リヴォニア司教、封臣、都市の代表等によって締結されました。これによって、戦争における各勢力の協調が模索されることになったのです。

リヴォニア戦争とその解体

1561年に勃発したリヴォニア戦争では、テッラ・マリアナはついに解体されました。北部はスウェーデン王国に渡り、エストニア公国として名を変えることになりました。一方、南部はリトアニア大公国に編入され、ポーランド・リトアニア共和国の一部として聖なるリヴォニア公国に再編成されました。この時、サーレマー島はデンマーク王国の一部として位置付けられることになりました。

結論

テッラ・マリアナは、その歴史を通じて多くの変化を遂げ、様々な文化や力が交わる舞台となってきました。中世のリヴォニアにおけるこの地名には、争いと協調の物語が宿っています。

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