テリー・サンフォード

ジェイムズ・テリー・サンフォード

ジェイムズ・テリー・サンフォード（1917年8月20日 - 1998年4月18日）は、アメリカの政治家および教育者であり、ノースカロライナ州知事や米国上院議員を務めた。彼は教育の向上と公民権の推進に強い情熱を持ち、数多くの改革を進めたことで知られている。また、1970年代には二度、大統領候補として選挙に出馬した実績もある。

初期の経歴

サンフォードはノースカロライナ州ローリンバーグで生まれ、若い頃からボーイスカウトに参加しイーグルスカウトの称号を得た。彼は1940年にノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業後、連邦捜査局（FBI）のエージェントとして働いたが、第二次世界大戦中には米国陸軍に入隊し戦場での勇敢な行動が評価され、ブロンズスターメダルやパープルハート章を授与される。また、戦後には法律を学び、ノースカロライナ州法学校を卒業。以後、彼の政治活動が始まった。

州知事としての業績

1960年、サンフォードはノースカロライナ州知事に当選し、その在任中に公立学校の予算を倍増させると共に、教育制度の改革やノースカロライナ大学システムの統合を進めた。さらに、ノースカロライナ州基金を設立し、貧困問題にも取り組んだ。特に彼の「州知事の学校」は、高校生に対する新しい教育機会を提供するもので、多くの生徒に影響を与えた。しかし、彼の政府が提案した増税政策には反対の声も多かった。

民主党大統領候補指名争いと上院議員への出馬

1972年、サンフォードは民主党の大統領候補としての挑戦を行ったが、党大会では優位に立つことができず、同年の選挙で敗れた。しかし、1976年の選挙に向けて再び挑戦を決意したものの、健康問題から撤退せざるを得なかった。1986年には、共和党のジム・ブロイヒルに対してノースカロライナ州から上院議員に選出され、教育、貧困撲滅、地域経済再生に関する幅広い問題に取り組んだ。

デューク大学学長としての貢献

サンフォードは1969年から1985年までデューク大学の学長を務め、その間に学校内の対立を回避する政策を推進した。また、元大統領リチャード・ニクソンの大統領図書館を大学に設置しようと試みたが、賛否が分かれ、最終的には拒否される結果となった。しかし、彼の任期中には、デューク大学の教育改革や学生問題への対応が評価されている。

晩年と遺産

2003年以降、サンフォードは数冊の著作を出版し、公共教育の重要性を説いた。また、デューク大学において法学や政治学の授業を教え続けるなど、教育界への影響を与えた。彼は1997年末に食道癌で亡くなるまで、法律実務や経済開発に関する活動を続けた。サンフォードの影響はデューク大学の名声を高め、彼の業績はノースカロライナ州の政治における重要な役割を果たし続けている。

サンフォードは、その業績を通じて、教育と公民権の推進に寄与し、アメリカの南部地域の変革に主導的な役割を果たした政治家として、今も多くの人々に記憶されている。

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