テリー・ファレル (建築家)

テリー・ファレル（Terry Farrell, 1939年 - ）は、イングランドを代表する建築家の一人です。彼は、CBE（大英帝国勲章）を受勲しており、RIBA（イギリス王立建築家協会）、FRSA（芸術・工業・商業振興のための王立協会）、FCSD（デザイナー公認協会）、MRTPI（王立都市計画協会）の各会員でもあります。ファレルの建築スタイルは、先進技術とポストモダニズムを融合させた独特なもので、しばしばユーモラスな要素が取り入れられています。

特に、彼の作品には、ポストモダニズムの特徴を決定づけるようなジョークが盛り込まれていることが知られています。例えば、TV-amビルでは、天井に色付きのエッグカップ（ゆで卵立て）が配置されています。これは、朝の情報番組に使われるビルであるというだけでなく、古典主義建築の建物に骨壺を置くという、伝統的な建築に対する皮肉な表現でもあります。

ファレルは、チェシャー（現在のグレーター・マンチェスター）のセイルで生まれました。その後、セント・カスバート高校に通うためにニューカッスル・アポン・タインに移り住みました。ニューカッスル大学の建築学部を首席で卒業し、1965年から建築家としての活動を本格的に開始しました。

主な建築物

ファレルの代表的な建築物には、以下のようなものがあります。

ブラックウォール・トンネル換気塔（ロンドン、1962年）
クリフトン託児所（ロンドン・コヴェント・ガーデン、1981年）
TV-am ビルディング（ロンドン・カムデン・タウン、1981年 – 1982年）
SISビルディング（ロンドン・ヴォクソール・クロス）
エンバンクメント・プレイス（ロンドン・チャリング・クロス駅、1990年）
エディンバラ国際会議場（スコットランド）
ピーク・タワー（香港、1995年）
イギリス領事館・イギリス議会ビルディング（香港、1997年）
センター・オブ・ライフ（ニューカッスル・アポン・タイン、1999年）
ザ・ディープ水族館または「サブマリウム」（キングストン・アポン・ハル、2001年）
仁川国際空港（仁川広域市、2002年）
北京南駅（北京市、2008年）
ニューデリー駅の近代化

これらの建築物は、ファレルの多岐にわたる才能と、彼の建築に対するユニークなアプローチを示しています。彼の作品は、単なる機能的な建物ではなく、文化的なメッセージや社会的な批評を込めた、芸術作品としての側面も持っています。

建築に対する姿勢

ファレルの建築に対する姿勢は、常に革新的でありながらも、既存の伝統や文脈を尊重するものです。彼は、ポストモダニズムというスタイルを通して、建築が持つべき多様性と、ユーモアの重要性を表現しようとしました。彼の作品は、見る人に驚きと発見を与え、建築というものが、単なる構造物ではなく、人々の生活や文化と深く結びついたものであることを教えてくれます。

影響と遺産

テリー・ファレルの建築は、世界中の建築家やデザイナーに影響を与え続けています。彼の作品は、単に美しいだけでなく、社会的な意義や文化的な価値を内包しており、建築という分野において重要な役割を果たしています。彼の遺産は、今後も長く語り継がれていくことでしょう。

参考資料

Building up to a role in the city's future? - The Scotsman新聞

外部リンク

* Terry Farrell and Partners

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