テルビウムの同位体

[テルビウム]の同位体について

テルビウムは、周期表において57番目の元素であり、希土類元素の一種です。テルビウムの同位体は、天然に存在するものと放射性同位体があり、特に注目すべきはこれらの性質や半減期です。

天然に存在する同位体

テルビウムの中で、自然界に存在する安定同位体は159Tbのみです。この同位体は、テルビウムにおける安定的な役割を果たし、地球上で観察されることができます。

放射性同位体の種類

テルビウムには、33種類の放射性同位体が知られています。これらの同位体の中でも、158Tbが最も安定したものであり、その半減期は180年となります。この半減期が長いということは、少なくとも数世代にわたり安定的に存在することを意味しています。157Tbおよび160Tbも比較的安定な同位体として知られており、それぞれ71年と72.3日という半減期を持っています。

残りの放射性同位体は、半減期が6.907日以内であることが特徴で、これらのうちほとんどは非常に短命であり、24秒以内に崩壊します。この短い半減期を持つ同位体は、実験室などでの研究や応用において貴重な資源となります。

核異性体の存在

テルビウムには、18種類の核異性体が存在します。これらの核異性体の中で、安定性があるものとしては、156m1Tb（半減期24.4時間）、154m2Tb（半減期22.7時間）、144m1Tb（半減期9.4時間）などがあります。特に核異性体の性質が研究されることで、核の性質や安定性についての理解が深まっています。

同位体の崩壊と変換

テルビウムの同位体は、他の元素に変化する性質を持っています。具体的には、158Gdよりも軽い同位体は電子捕獲を通じてガドリニウムに変わります。一方、158Gdよりも重い同位体はベータ崩壊によってジスプロシウムに崩壊します。この現象は、核物理学や化学の多くの領域で重要な意味を持ち、特に放射線の応用に関する研究に貢献しています。

標準原子量

テルビウムの標準原子量は158.92535(2) uとされています。この数値は、テルビウムが持つ全ての同位体の質量の加重平均によって導出されており、物質の性質を評価する上での基準となります。

参考文献

テルビウムの同位体に関する情報は、主に以下の専門的な文献から得られています。これらの資料は、同位体の質量、半減期、その他の核特性についての信頼性の高い情報を提供しています。

• - G. Audiらによる「Ame2003 Atomic Mass Evaluation」
• - IUPACの「Atomic weights of the elements」
• - Nuc. Phys. AのNubase2003評価
• - CRC Handbook of Chemistry and Physics

これらの文献は、テルビウムに関する理解を深化させるための重要なリソースとなっています。

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