テルマトサウルス

テルマトサウルスについて

テルマトサウルス（Telmatosaurus）は、「沼のトカゲ」という意味の名前を持ち、白亜紀後期に生息していた基底的なハドロサウルス科の恐竜です。この恐竜は体長約5メートル、体重はおおよそ500キログラムと比較的小型であり、主に現在のルーマニア地域で発見されています。

発見の歴史

最初にテルマトサウルスの化石が発見されたのは1895年のことです。当時、数人の農民がトランシルヴァニアのフネドアラ地区にあるノプシャ家の所有地で恐竜の頭骨を見つけました。この骨を領主の娘イロナ・ノプシャに贈呈し、彼女の兄であるフランツ・ノプシャはこの発見をきっかけに古生物学の学生となりました。1899年、フランツはこの頭骨を「Limnosaurus transsylvanicus」と命名しましたが、その名は既に1872年にワニの名前として使用されていたことが後に判明しました。

そのため、1903年にはテルマトサウルスの属名が改名されました。「Telma」という語根も「沼」を意味し、ハドロサウルス類が湿地環境に適応していたことに由来しています。

ホロタイプ（標本の基準となる標本）は、今のところ知られている最古の地層、約6800万年前のマーストリヒチアン層から発見され、ハツェグ島に位置していました。この標本は頭骨と下顎の骨から構成されています。

その後、1915年にはノプシャによって「Orthomerus transsylvanicus」として再分類されますが、1980年代にはこの分類は疑問符が付くようになり、結局テルマトサウルスに戻されました。過去に他の国々で発見されたいくつかの化石がオルトメルスに帰属されていましたが、現代ではそれらがテルマトサウルスに含まれる場合も多くあります。しかし、これを証明することは困難です。また、ルーマニアで発見された断片的な骨や卵についても同様の疑問があります。

特徴

テルマトサウルスはその小型の体格から、島嶼矮化の例としての学術的な関心も集めています。体長は約5メートル、体重は約500キログラムとされ、そのサイズは他の大型のハドロサウルス類とは一線を画しています。これにより、彼らの生態や進化の過程について新たな知見を提供する存在となっています。

特に、彼らは湿地の環境に適していたと考えられており、その生態についての興味も尽きません。テルマトサウルスは多くの化石が保存されているため、今後の研究が期待されています。

以上のように、テルマトサウルスは白亜紀の生態系において重要な役割を果たしていた恐竜であり、今後の研究によりさらなる詳細が明らかになることが期待されています。

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