テルマ・モンテイロ

テルマ・アレシャンドラ・ピント・モンテイロ：不屈の精神で高みを目指す柔道家

テルマ・アレシャンドラ・ピント・モンテイロ（Telma Alexandra Pinto Monteiro、1985年12月27日 - ）は、ポルトガル・リスボン出身の柔道家です。身長163cm、階級は主に57kg級で活躍しています。

幼少期から柔道との出会い

リスボンで生まれたモンテイロは、幼少期をアルマダで過ごしました。12歳の時、姉の影響で柔道を始めますが、当初は他のスポーツほどのめり込めませんでした。しかし、サッカーで出場機会に恵まれなかったことなどから、14歳で再び柔道に打ち込むことを決意します。

国際舞台での活躍

本格的に柔道を始めてから比較的短い期間で、モンテイロは才能を開花させます。52kg級の選手として、ヨーロッパジュニアの国際大会で数々の入賞を果たし、頭角を現しました。18歳でシニアのヨーロッパ選手権で3位に入賞し、アテネオリンピックに出場。その後も、ヨーロッパジュニア選手権での優勝、世界ジュニア選手権での3位入賞など、着実に実績を積み重ねていきました。

2005年には、ヨーロッパ選手権で再び3位入賞を果たし、カイロ世界選手権では銅メダルを獲得。2006年には、ヨーロッパ選手権で初優勝を飾り、23歳以下のヨーロッパ選手権でも優勝を果たしました。

階級変更と更なる挑戦

2009年、モンテイロは階級を57kg級に変更します。新たな階級でもすぐに適応し、ワールドカップ・ソフィアで優勝、グランプリ・ハンブルクでも優勝を飾るなど、その実力を証明しました。ヨーロッパ選手権では2階級制覇を達成し、世界選手権でも銀メダルを獲得するなど、世界のトップ選手として活躍しました。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、悲願であったオリンピックのメダルを獲得。準々決勝で敗れたものの、敗者復活戦を勝ち上がり、銅メダルに輝きました。これは、ポルトガル柔道界にとっても大きな快挙となりました。

新ルールへの適応とベテランとしての活躍

2010年以降、IJFのルール改正により、下半身への攻撃が禁止されるという変更がありました。タックル系の技を得意としていたモンテイロにとって、このルール変更は大きな影響があると思われましたが、彼女はすぐに適応し、世界選手権での銀メダル獲得など、以前と変わらない成績を残しました。

30代を迎えてからも、モンテイロはベテランとして国際大会で活躍を続けました。2021年には、ヨーロッパ選手権で6度目の優勝を果たし、35歳での優勝は大会史上最年長記録となりました。同年の東京オリンピックにも出場し、5度目のオリンピック出場を果たしました。

引退と今後の活動

2024年、パリオリンピックへの出場は叶わず、現役引退を表明しました。長年にわたりポルトガル柔道界を牽引し、数々の輝かしい成績を残したモンテイロの功績は、多くの人々に感動と勇気を与えました。

人物像

モンテイロは、その美貌でも知られており、ポルトガル国内ではテレビ出演も多数あります。トレーニングの一環として、サーフィンやウェイクボードにも取り組むなど、アクティブな一面も持ち合わせています。リスボンにあるルソフォナ大学で体育学を専攻し、柔道選手としてSLベンフィカという総合スポーツクラブに所属しています。得意技は、右組からの背負投と小内刈です。

主な戦績

数々の国際大会で優勝、入賞を果たしており、ポルトガル柔道界を代表する選手として、その名は広く知られています。

2006年 ヨーロッパ柔道選手権大会 優勝
2007年 世界柔道選手権大会 2位
2009年 世界柔道選手権大会 2位
2010年 世界柔道選手権大会 2位
2011年 ワールドマスターズ 優勝
2012年 グランドスラム・パリ 優勝
2012年 ヨーロッパ柔道選手権大会 優勝
2014年 世界柔道選手権大会 2位
2015年 ヨーロッパ競技大会 優勝
2015年 グランドスラム・パリ 優勝
2016年 リオデジャネイロオリンピック 3位
2018年 グランドスラム・エカテリンブルグ 優勝
2021年 ヨーロッパ柔道選手権大会 優勝
2021年 グランドスラム・アブダビ 優勝

テルマ・モンテイロは、その卓越した技術と不屈の精神で、多くの人々に感動を与え続けています。今後の彼女の活躍から目が離せません。

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