テル・ミー

テル・ミー (ユー・アー・カミング・バック) - ローリング・ストーンズの軌跡を語る一曲

1964年、まだ無名だったロックバンド、ローリング・ストーンズ。彼らの名を世に知らしめるきっかけとなった楽曲の一つに、「テル・ミー (ユー・アー・カミング・バック)」があります。この曲は、彼らのデビューアルバム『ザ・ローリング・ストーンズ』に収録された楽曲で、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作として誕生しました。これは、彼らが初めて世に送り出したオリジナル曲であり、デビューアルバムにおいて唯一のオリジナル曲であるという点で、大きな意味を持っています。

アルバムバージョンは4分5秒と、他の曲に比べても比較的長く、エンディングも独特の切れ味で終わる、インパクトのある仕上がりになっています。その後、エンディングをフェイドアウトさせたバージョンや、シングル用に編集されたバージョンも制作され、どれも元々のテイクは同一ですが、異なる印象を与えています。中でも、フェイドアウトバージョンは現在最も広く知られるバージョンと言えるでしょう。さらに、この曲にはイアン・スチュワートによるピアノ演奏が彩りを添えています。

シングルリリースと日本での人気

1964年6月13日、この曲はシングルカットとして再リリースされました。アメリカでは、このシングルがトップ40入りを果たし、ローリング・ストーンズの名を世界に広める一助となりました。同年後半には日本でもリリースされ、日本におけるローリング・ストーンズ人気の火付け役の一つとなりました。特に1968年には、B面に「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」を収録したシングルが再リリースされ、両A面ともグループサウンズブームの最中にあり、多くのグループによってカバーされるなど、大きな人気を博しました。この2曲が日本におけるローリング・ストーンズの認知度を飛躍的に向上させたことは間違いありません。

多様なカバーと楽曲への影響

「テル・ミー (ユー・アー・カミング・バック)」は、その魅力的なメロディーとシンプルな構成から、数多くのミュージシャンによってカバーされています。特に日本では、オックス、ザ・タイガース、シーナ＆ロケッツ、寺内タケシ、大江慎也、Mi-Keなど、様々な世代のアーティストが独自の解釈でカバーしており、その幅広さがこの楽曲の持つ普遍的な魅力を示しています。

さらに、ニューヨークのパンクバンド、デッド・ボーイズによるパンクアレンジバージョンも注目に値します。彼らの大胆なアレンジは、元の楽曲に新たな解釈を加え、多くの後続アーティストに影響を与えました。例えば、日本のバンドPOTSHOTは、デッド・ボーイズのパンクバージョンを再びカバーしており、世代を超えたカバーの連鎖が生まれています。

まとめ

「テル・ミー (ユー・アー・カミング・バック)」は、ローリング・ストーンズのキャリアにおいて、その初期段階で大きな成功をもたらした重要な楽曲です。シンプルな構成の中に秘められた魅力は、時代を超えて多くのアーティストを魅了し、今もなお聴き継がれる名曲として輝き続けています。その多様なカバーバージョンは、この曲の持つ可能性と普遍性を示しており、ロック音楽史における重要な一曲であることを改めて感じさせます。

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