タイム・イズ・オン・マイ・サイド

タイム・イズ・オン・マイ・サイド (Time Is on My Side)

ジェリー・ラゴヴォイが「ノーマン・ミード」名義で作曲したこの楽曲は、ローリング・ストーンズのカバーバージョンによって世界的に知られるようになった。

オリジナルと初期のバージョン

元々は1963年に、ジャズ・トロンボーン奏者のカイ・ウィンディングが発表したインストゥルメンタル曲だった。タイトルは「時間は私の味方」を意味し、歌詞は後に追加された。「君は自由になりたいと言って私から離れていくけど、結局は私のところへ戻ってくるだろう」という、未練にも似た心情を歌っている。

興味深いことに、オリジナル版のバックコーラスは、ホイットニー・ヒューストンの母であるシシー・ヒューストン、そしてディオンヌ・ワーウィックとその妹ディー・ディー・ワーウィックという、豪華なメンバーが担当している。

1964年6月には、ジミー・ノーマンがこのインスト曲に歌詞を付け、女性シンガーのアーマ・トーマスが歌唱。このバージョンもまた、楽曲の普及に貢献した。

ローリング・ストーンズによるカバー

ローリング・ストーンズは1964年9月26日に、アメリカでこの曲をシングルA面として発表。オルガンのイントロが印象的なこのバージョンは、ビルボードHot 100で6位を記録するヒットとなり、アメリカ盤アルバム『12×5』に収録された。

本国イギリスでは、翌1965年1月発売のアルバム『ザ・[[ローリング・ストーンズ No.2]]』に、ギター・イントロ・バージョンが収録された。このギター・イントロ版は、よりロック色の強いアレンジとなっている。

日本盤シングルにおいては、1964年にA面で発売された際にはオルガン・イントロ・バージョンが使用されたが、1968年に「テル・ミー」のB面として発売された際にはギター・イントロ・バージョンが使用されるなど、異なるバージョンが混在していた。

その他のアーティストによるカバー

「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」は、時代を超えて様々なアーティストに愛され、数多くのカバーバージョンが存在する。

ウィルソン・ピケット、オージェイズ、パティ・スミス（1977年のシングル「Ask the Angels」のB面）、ムーディー・ブルース、プリティー・シングス、ブライアン・プール＆ザ・トレメローズ、ビヴァリー・ナイトなどが、独自の解釈でこの曲をカバーしている。

日本においては、ザ・タイガース（1967年のアルバム『THE TIGERS ON STAGE』、1971年のアルバム『フィナーレ』に収録）やザ・スパイダースなどが録音を残している。また、1996年にはトヨタ・クレスタのCMで沢田研二、高橋幸宏、玉置浩二の3人がこの曲を演奏し、販促用にCD化された（非売品）。このCMは大きな話題を呼び、幅広い世代に楽曲の魅力を再認識させた。

「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」は、多様な解釈とアレンジによって、時代を超えて愛され続ける不朽の名曲と言えるだろう。

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