テレスト (衛星)

テレスト (Saturn XIII Telesto) について

テレストは、土星の第13番目の衛星であり、テティスとほぼ同じ軌道を公転するトロヤ衛星の一つとして知られています。この衛星は、テティスのラグランジュ点の中でも、前方にあるL4点に位置しています。テレストの発見は1980年まで遡り、その特異な軌道と、他の衛星との関係性が、多くの天文学者の関心を引いてきました。

発見と命名

テレストは、1980年4月8日に、ブラッドフォード・A・スミス氏、H・J・レイツェマ氏、S・M・ラーソン氏、そしてJ・W・ファウンテン氏によって、地上からの観測により発見されました。この観測には、1.5メートル反射望遠鏡が使用されました。発見の報告は、1980年4月10日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、最初は「S/1980 S 13」という仮符号が与えられました。その後、数回の観測で「S/1980 S 24」、「S/1980 S 33」、「S/1981 S 1」と、異なる仮符号が与えられましたが、1981年5月18日に、これらが全て同一の天体であることが確認されました。1983年9月30日には、ギリシア神話に登場するティーターンの一人で、オーケアノスとテーテュースの娘であるテレストにちなんで、正式に「テレスト」と命名され、「Saturn XIII」という確定番号が与えられました。

トロヤ衛星としての特徴

テレストは、テティスと同一の軌道上に存在し、テティスの前方ラグランジュ点（L4）に位置しています。このような、ある天体のラグランジュ点に位置する衛星は「トロヤ衛星」と呼ばれます。テティスの後方ラグランジュ点（L5）には、同じくトロヤ衛星であるカリプソが存在します。テレストが、テティスと同じ軌道を持ち、力学的に安定したラグランジュ点に存在することは、1981年に明らかになりました。これは、軌道力学の観点から見ると、テティスとテレストが1:1の平均運動共鳴を起こしていることを意味します。

観測による詳細

2005年10月11日には、土星探査機カッシーニがテレストに約1万4500kmまで接近し、その詳細な画像を撮影しました。これらの画像から、テレストの表面は、いくつかのクレーターを除いて、非常に滑らかであることが確認されました。この事実は、テレストが過去に大きな天体衝突を経験していない、または、衝突によって生じた地形が時間とともに滑らかになったことを示唆しています。

関連情報

テレストに関するさらに詳しい情報は、以下のリンクから参照できます。

ラグランジュ点に存在する物体の一覧
ザ・ナインプラネッツ 日本語版（テレスト）

これらの情報源から、テレストについてのより深い理解を得ることができます。

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