テレビゲームビジネス協議会

テレビゲームビジネス協議会（GRA）とは

テレビゲームビジネス協議会（Game Retailers Association、略称GRA）は、1996年に設立されたゲームソフト販売店の団体です。しかし、2002年に日本テレビゲーム商業組合が結成されたことに伴い、自然消滅しました。

設立の背景

GRA設立の背景には、1994年12月にソニー・コンピュータエンタテインメント（SCE）が発売したPlayStation（PS）の販売契約を巡る、ジャパンテレビゲームチェーン協会（JAG）内のフランチャイズチェーン間の対立がありました。

旧JAGは、PSの販売を巡り空中分解。明響社（TVパニック）、上昇（カメレオンクラブ）、ブルート、ボックスグループ（ドキドキ冒険島）の4社が中心となり、GRAが結成されました。上昇の代表取締役社長であった金岡勇均が理事長に就任しています。

解散までの経緯

しかし、金岡は1997年初頭に理事長を辞任し、GRAを脱退。テレビゲームソフトウェア流通協会（ARTS）に参加しました。残されたチェーン各社はテレビゲーム専門店協会（ACES）を結成し、GRAは休眠状態となります。

2000年、SCEがPlayStation 2（PS2）を発売した際、それまで販売店に支払っていたバックマージンを全廃することを表明。当時、新品の掛け率が引き上げられる一方で「新品専門店は成り立たない」という声が上がっており、このSCEの決定は小売店にとって死活問題でした。

そこで、ARTS加盟の有無を問わず、メーカー側との協議チャネルを持つ必要が生じ、窓口を一本化するために休眠中のGRAが再始動しました。アクト（wanpaku）などARTS加盟のFCも参加しましたが、卸売条件を大きく改善するには至りませんでした。

2002年に日本テレビゲーム商業組合が結成されたことに伴い、GRAは自然消滅しました。

中古ゲームソフト問題との関わり

ARTSとメーカー7社は、中古ゲームソフト売買の是非を巡り、東京・大阪の両高等裁判所において裁判を行っていました。GRAは、この問題にも関わっていたと考えられます。

まとめ

テレビゲームビジネス協議会（GRA）は短命な団体でしたが、PlayStationの登場とゲーム業界の変化の中で、販売店の権利を守るために活動した歴史があります。その活動は、現在のゲーム流通のあり方を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

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