テレビゲーム専門店協会

テレビゲーム専門店協会（ACES）とは

テレビゲーム専門店協会（Association of Computer Entertainment Stores、略称ACES）は、1998年から2001年まで存在したゲームソフト販売店の団体です。事務局は大阪府豊中市の明響社（TVパニック）FC本部内に置かれていました。

設立の背景

1994年12月、ソニー・コンピュータエンタテインメントがプレイステーションを発売する際、「再販価格維持」「中古品売買禁止」「同業他社への在庫転売禁止」を強制しました。これに対し、テレビゲームソフトウェア流通協会（ARTS）が徹底抗戦を主張する一方で、「妥協やむなし」派のフランチャイズチェーン各社はテレビゲームビジネス協議会を結成していました。

1997年初頭、協議会理事長であった上昇（カメレオンクラブ）代表取締役社長・金岡勇均が理事長を辞任し、協議会を脱退してARTSに加盟しました。これを受け、残されたチェーン各社が1998年4月14日にACESを結成しました。テレビゲームビジネス協議会がそのままACESに移行したわけではなく、協議会は後にARTSに参加していたチェーンも加わる形で一時的に活動を再開しています。

参加企業

参加したチェーンは以下の5社です。

明響社（TVパニック）
ブルート（1999年倒産）
ボックスグループ（ドキドキ冒険島）
いまじん（マジカルガーデン）
* コングシステムズ（COMG!）

活動と終焉

「ACES」という略称は、コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会（CESA）の略称「CESA」を1文字スライドさせたものを連想させます。ACESは、CESAがコンピュータソフトウェア著作権協会（ACCS）などと共同で行っていた「違法中古ゲームソフト撲滅キャンペーン」に反抗しない態度を結成当初から表明しており、「CESAの傀儡組織」と揶揄されていました。

1999年3月には、ブルートが80億円の負債を抱えて倒産し、有力構成企業を失ったACESの存在意義は大きく揺らぎました。

2000年2月には、ソニーが公正取引委員会と争っていた私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律（独占禁止法）違反事件の審判で、ボックスグループを除く3社の役員が相次いで出廷し、ソニーを擁護しました。翌月にPlayStation 2発売を控え、恩を売りたい一心での行動と見られていましたが、ソニーはACES各社に見返りを与えるどころか「バックマージン全廃」という恩を仇で返すかのような行動に出ました。

これが決定打となり、ACES各社も相次いで中古品売買を再開しました。2001年3月には、東京・大阪の両高等裁判所で中古ゲームソフト売買が合法と認定されたこともあり、存在意義が薄れたため、2002年2月の日本テレビゲーム商業組合設立に前後して自然消滅しました。

ACESは短命な団体でしたが、当時のゲーム業界におけるメーカーと販売店の関係、中古ゲームソフトをめぐる法的問題など、様々な側面を反映した存在でした。

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