テンジンショウグン

天神将軍(テンジンショウグン) - 栄光と転身、そして静かな余生

1990年4月14日、北海道浦河町の川島牧場で誕生した競走馬、テンジンショウグン。兄であるシャコーグレイドよりも高く評価されていましたが、競走馬としての道は平坦ではありませんでした。

1992年8月、3歳でデビュー戦を勝利で飾るも、その後は苦戦が続きました。重賞レースでは思うような結果が出せず、条件クラスを転々とする日々。5歳になってからは徐々に勝利を重ね、オープン入りを果たすも、重賞勝利には届きませんでした。7歳時には目黒記念4着、日経賞3着など好走を見せるものの、勝ちきれませんでした。

8歳を迎えた1997年、成績が低迷したことから、[障害競走]]への転向を決断。障害レースでは3戦目で初勝利を挙げ、9歳時には障害の400万下条件戦も連勝。しかし、[[東京障害特別]、[阪神障害ステークス]では思うような結果が出ず、再び平地競走への復帰を決意しました。

そして迎えたのが、1998年の日経賞。2年連続の出走でしたが、単勝355.7倍という最低人気。しかし、レースでは後方から鋭く追い上げ、1番人気のローゼンカバリーを交わし、見事優勝。9歳馬による重賞勝利は史上4頭目という偉業でした。この勝利は、馬番連勝式と枠番連勝式で中央競馬重賞史上最高の払戻金を記録する、歴史的な出来事となりました。

日経賞での大金星の後、テンジンショウグンはGI競走初挑戦となる天皇賞(春)に出走するも、11着と大敗。その後も平地競走に出走しましたが、思うような成績は残せず、1998年11月のアルゼンチン共和国杯を最後に競走生活に幕を閉じました。

引退後は、警視庁騎馬隊に所属。「新志」と改名し、儀仗警備や交通安全教育などに貢献しました。2012年8月に騎馬隊を退役した後も、北海道日高郡新ひだか町の馬の養老牧場ローリングエッグスクラブステーブルで穏やかな余生を過ごし、2018年12月7日に亡くなりました。

テンジンショウグンの競走生活は、決して華々しいものではありませんでした。しかし、9歳での重賞制覇という奇跡、そして警視庁騎馬隊での活躍という、二度目の輝かしい転身。そのドラマチックな人生は、競走馬としての才能だけでなく、強い精神力と、周囲の人々からの愛情を物語っています。 彼の記憶は、多くの競馬ファン、そして警視庁騎馬隊関係者の心に深く刻まれていることでしょう。

血統: 半兄に1991年皐月賞2着のシャコーグレイド、叔父に重賞2勝のブラックスキー、その他の近親にドングラシアス(小倉サマージャンプ)など、優れた血統を受け継いでいました。

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