テンダー機関車

テンダー機関車について

テンダー機関車とは、蒸気機関車の一形式で、炭水車（テンダー）を連結した構造を持っています。この炭水車には、ボイラーの燃料となる石炭と運転に必要な水が搭載されており、その容量の大きさが特長です。そのため、テンダー機関車は長距離の運行に非常に適しています。具体的には、駅間が長く、停車駅の少ない幹線や急行列車で主に利用されており、補給が頻繁にできない条件下でも効率的に運行できるのです。

しかし、テンダー機関車にはいくつかの欠点もあります。まず、一般的に後方の視界が悪く、バック運転が難しいという問題があります。これにより、駅での方向転換をする際に手間がかかるのです。また、全体の長さも大きく、運転に必要な転車台が大型でなければならず、普段の運用において不便さを感じさせます。さらに、炭水車の重量が全体の車両重量に加わるため、無駄な死重として機関車の機動性に影響を与え、タンク[[機関車]]のように重量をトラクションに活用することができません。

これらの欠点を克服するために、いくつかの新しい設計が試みられています。例えば、「パワー・テンダー」と呼ばれる方式では、テンダー自体にも走行装置を設け、牽引力を向上させることを目指しました。しかし、保守作業に手間がかかり、信頼性の面で問題が見られたため、普及には至りませんでした。

さらに進化した設計では、自動給炭機、いわゆるメカニカルストーカーを搭載しているものもあり、これにより燃料補給の効率も向上させることが試みられています。このシステムは自動で炭を供給し、運転手の負担を軽減するものです。

テンダー機関車はその特徴から、特に広い鉄道網が発展し、長距離の貨物運送や旅客運送が求められた時期に重宝されていました。近代では、ディーゼル機関車や電気機関車の普及により、その役割は減少していますが、今なお歴史的な価値を持つ旅行列車などで見ることができます。これからも、蒸気機関車としての魅力を持ったテンダー機関車は、多くの鉄道ファンや観光客に愛され続けるでしょう。

関連項目

• - 蒸気機関車
• - タンク[[機関車]]

もう一度検索