転車台

転車台：鉄道車両の方向転換装置

転車台は、鉄道車両や自動車の方向を変えるための回転装置です。特に片側にしか運転台のない蒸気機関車や、一部の電気機関車などの向きを変える際に不可欠な設備でした。

鉄道用転車台

歴史と用途

蒸気機関車の全盛期には、機関区や主要駅などに必ず設置され、方向転換に活躍しました。しかし、運転台が両側に設置された電気機関車やディーゼル[[機関車]]の普及に伴い、多くの転車台は撤去されました。現在では、蒸気機関車の復活運転や、車両の改造・配置転換などの際に使用されるケースが多く、その数は減少しています。アメリカなどでは、片運転台のディーゼル[[機関車]]が現在も使用されているため、転車台は依然として重要な設備です。

構造

転車台は、レールを載せた回転する部分（主桁）と、それを支える土台（転車台坑）から構成されます。主桁の回転中心には中央支承があり、転車台坑の外周には円形レールが敷設され、主桁の回転を案内し、重量の一部を支えます。主桁の構造はガーダー橋と同様で、上路式と下路式があり、上路式はレールを桁材の上に、下路式は桁材の間の横梁の上に設置します。下路式は転車台坑を浅くできますが、車両の横幅制限が厳しくなります。日本では上路式が主流でした。主桁の設計には、バランスト形と三点支持形があり、バランスト形は車両の重心位置調整が難しいものの、回転抵抗が小さいという特徴があります。

特殊な転車台

貨車の転回用小型転車台、世界最大級のシップリフト用転車台、非対称型転車台など、様々な特殊な転車台が存在します。また、遊園地などの鉄道施設にも複線転車台が用いられる例があり、転向と同時に機回し線への転線を行うことができます。伊予[[鉄道]]の坊っちゃん列車のように、油圧ジャッキと人力で機関車を回転させる方法も存在します。過去には軍事用途として、列車砲の射角調整に用いられた例もあります。

現存する転車台

現役で使用されている転車台

多くの駅や車両基地で、蒸気機関車などの運行や車両の保守に現役で使用されている転車台があります。（例：岩見沢駅、盛岡駅、新山口駅、大井川鐵道千頭駅など）

稼働していないが、現存する転車台

過去に使用され、現在では稼働していないものの、保存されている転車台も多く存在します。（例：南稚内駅、亀山駅、豊後森駅など）

鉄道保存施設や遊園地にある転車台

鉄道博物館や遊園地などでは、保存・展示または運行目的で稼働する転車台を見ることができます。

自動車用転車台

バス車庫やタワー型立体駐車場など、狭い場所で車両の方向転換を行うために使用されます。人力、電動、あるいは車両自身の動力で回転します。

まとめ

転車台は、鉄道の歴史と共に発展し、様々な形態で現代にも受け継がれています。その構造や用途は時代と共に変化を遂げながらも、鉄道車両の運用において重要な役割を果たし続けています。今後、蒸気機関車の運行が継続される限り、あるいは特殊な車両の運用においては、その存在は不可欠であり続けるでしょう。

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