テンプテーション・クラウン

『テンプテーション・クラウン』は、雪野静氏が著し、ゆーげん氏がイラストを手がけた日本のライトノベル作品です。集英社のスーパーダッシュ文庫から刊行されました。作者である雪野静氏の2作目の作品にあたります。

あらすじ

物語の舞台は、神や悪魔の力を宿し、世界の法則を捻じ曲げる力を持つ「選定者」が存在する世界。主人公である普通の高校生、沙羅姫アキトは、ひょんなことから最弱ランクの悪魔、ゼファをその身に宿すことになります。しかし、ゼファの持つ魅惑の能力が、選定者の中でも特別な存在である「王冠」の一人、ルヴィ・アルスレイに作用したことから、アキトの日常は一変します。世界に13人しか存在しない「王冠」を巡り、アキトは様々な陰謀や争いに巻き込まれていくことになります。

主な登場人物

沙羅姫 アキト（さらひめ あきと）
ごく普通の高校生でしたが、悪魔ゼファの力を得て選定者となります。基本的には真面目な性格ですが、ゼファの能力で自分に魅了されているルヴィや彩姫との関係に戸惑っています。過去には優秀な兄と比較され嫉妬していましたが、萌恵との出会いをきっかけに兄を尊敬するようになり、現在は萌恵に片思いをしています。

ルヴィ・アルスレイ
世界に13人しかいない最高の選定者『王冠』の一人で、英雄の力を持つ金髪碧眼の美少女。平和貢献賞を受賞するほどの有名人であり、学園では生徒会長を務める高嶺の花です。アキトの魅惑の力に魅了された一人で、彼を守るために同居生活を始めます。『蒼き秩序』という組織に所属し、兵器として扱われることもあります。

霧ノ宮 彩姫（きりのみや あやひめ）
ルヴィをライバル視する『王冠』の一人。叡智の力を持ち、大和撫子のような容姿ですが、高慢で熱くなりやすい一面もあります。アキトの魅惑の力に魅了された一人。武装として『全能の書フレルディア』を持っています。『白き叡智』という研究企業に所属。

ゼファ
アキトに宿る魅惑の悪魔。中性的な容姿で、性別を忘れたと自称しています。アキトに協力的ながらも、自身の魅惑の能力を抑えられないため、からかい半分で助言を与えます。飄々とした性格で、アキトの作る料理を味わうのが好き。

イフ・ペルナリティ
謎多き組織『黒き混沌』を率いる魔王と呼ばれる男。破滅の力を持つ『王冠』の一人と噂されています。暇つぶしに戦争や喧嘩を仕掛けることを趣味としています。

ラース・ペルナリティ
イフの妹で『黒き混沌』に所属する選定者。穏やかな性格で目立たない少女。破滅の『王冠』であり、『黒き混沌』の長ですが、表向きは兄のイフが取り仕切っています。

綾瀬 瑞穂（あやせ みずほ）
アキトの幼馴染でナオトの恋人。男勝りな性格ですが、恋人のナオトには乙女チックな一面を見せます。親友の千鳥を過保護に扱っています。

草薙 萌恵（くさなぎ もえ）
アキトが憧れる先輩で瑞穂の友人。明るく物怖じしない性格で、誰からも好かれる存在です。ドジな一面もあります。

葵 修司（あおい しゅうじ）
アキトの友人。千鳥に片想いしており、瑞穂に撃退され続けています。軽薄に見えますが、一途な性格です。

御影 千鳥（みかげ ちどり）
瑞穂の親友。小動物のような可愛らしい雰囲気で、修司からアプローチを受けています。

* 沙羅姫 ナオト（さらひめ なおと）
アキトの兄で瑞穂の恋人。「神や悪魔に関する研究」を仕事にしており、文武両道で何でもこなすマイペースな人物。

既刊一覧

1. テンプテーション・クラウン (2011年2月25日発売, ISBN 978-4-08-630596-9)
2. テンプテーション・クラウン2 (2011年6月29日発売, ISBN 978-4-08-630619-5)
3. テンプテーション・クラウン3 (2011年10月25日発売, ISBN 978-4-08-630645-4)
4. テンプテーション・クラウン4 (2012年5月25日発売, ISBN 978-4-08-630664-5)
5. テンプテーション・クラウン5 (2012年8月24日発売, ISBN 978-4-08-630694-2)完結

『テンプテーション・クラウン』は、魅力的なキャラクターたちが織りなす、ハーレム要素を含んだ学園ファンタジー作品として、多くの読者を魅了しました。

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