テーブルビート

ビーツ（テーブルビート）とは

ビーツ（Beetroot）は、ヒユ科アカザ亜科に属する根菜で、カブに似た形状と鮮やかな赤紫色が特徴です。一般的には「テーブルビート」とも呼ばれ、根の部分を食用とします。ビーツという名前は、ケルト語で「赤」を意味する「bette」に由来します。

歴史

ビーツの原産地は地中海沿岸で、古代ローマ時代から薬用植物として利用されてきました。食用として用いられるようになったのは2〜3世紀頃からです。日本には江戸時代初期に伝来し、「大和本草」にも記載されています。

特徴

肥大した根は、濃い赤紫色をしており、輪切りにすると赤と白の同心円状の模様が現れます。赤色の他にも、オレンジ色、白色、黄色の品種も存在します。

食用

旬と選び方

ビーツの旬は初秋から冬にかけてです。直径7〜8cmほどで、表面が滑らかなものを選ぶと良いでしょう。特有の香りがあり、甘みを持っています。

調理方法

ビーツは、皮ごと茹でるか、アルミホイルに包んでオーブンで蒸し焼きにするのが一般的です。茹でる際は、切らずに丸ごと茹でることで、色素の流出を防ぎます。加熱後は皮を剥き、スライスしてバターを添えたり、ピクルスにしたりします。生のままサラダに加えることも可能です。

各国の料理

ビーツは世界中で様々な料理に使われています。

ボルシチ（ウクライナ）: ビーツを使った代表的なスープ。鮮やかな赤紫色が特徴です。
ロシア風サラダ（スペイン、トルコ、中米）: ビーツ、ジャガイモなどを混ぜたポテトサラダ。
北欧サラダ（バルト三国、北欧）: ビーツ、ジャガイモ、リンゴ、ニシンの酢漬けをサワークリームで和えたサラダ。
ハンバーガー、サンドイッチ（オーストラリア）: ビーツの輪切りを具材として使用。

栄養

ビーツは、根菜の中でもカロリーが高く、エネルギー源となります。ビタミンC、鉄分、カリウム、リン、葉酸、食物繊維を豊富に含んでいます。また、抗酸化物質も多く含まれています。

栄養成分（可食部100gあたり）

熱量: 41kcal
糖分: ニンジンやスイートコーンよりも多い

色素

ビーツの赤紫色は、ベタレインという色素によるものです。ベタレインには、ベタシアニン（赤紫色）とベタキサンチン（黄色）が含まれています。ベタレインは抗酸化作用があり、生活習慣病予防やがん予防に効果が期待されています。

その他

ビーツを食べた後に尿や便が赤くなることがありますが、これはベタシアニンが分解されずに排出されるためで、健康上の問題はありません。
古代ローマ人はビーツを薬として使用していました。また、催淫効果があるとも信じられていました。

まとめ

ビーツは、鮮やかな色合いと独特の風味を持つ根菜です。栄養価も高く、様々な料理に利用できます。ぜひ食卓に取り入れて、ビーツの魅力を楽しんでみてください。

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