ディアンドル (競走馬)

ディアンドル：才能を開花させた競走馬の物語

2016年2月14日、北海道安平町のノーザンファームで誕生したディアンドルは、一口馬主法人シルクホースクラブによって募集された競走馬です。馬名はドイツの女性用民族衣装に由来し、その血統背景に敬意を表しています。育成当初は目立たない存在でしたが、調教を重ねるごとに筋肉質の体つきになり、前向きな気性とスピード能力を身につけました。

2歳となった2018年、栗東・奥村豊厩舎に入厩。7月15日の中京競馬場でのデビュー戦では惜しくも2着。しかし、続く未勝利戦を制すると、秋にはカンナステークス、クリスマスローズステークスとオープン特別を連勝し、3戦2勝という好スタートを切りました。

3歳（2019年）になると、マーガレットステークスを快勝。そして、初の重賞挑戦となった葵ステークスでは、藤岡佑介騎手とのコンビで1番人気に応え、見事優勝を飾りました。5連勝での重賞初制覇は、奥村調教師にとっても開業5年目での初の重賞制覇となり、大きな喜びとなりました。その後、北九州記念では2着と好走するも、スプリンターズステークスでは13着と大敗を喫しました。

4歳（2020年）は苦戦が続きました。シルクロードステークス、京都牝馬ステークス、安土城ステークス、ポートアイランドステークスと低迷が続きましたが、アンドロメダステークスでは8着と復調の兆しを見せました。

5歳（2021年）に入り、愛知杯では10着と低迷しましたが、続く小倉大賞典で3着。そして、福島牝馬ステークスでは団野大成騎手とのコンビで逃げ切り勝ちを収め、葵ステークス以来1年11か月ぶりの重賞勝利を飾りました。ヴィクトリアマイルでは4着、中京記念では8着、福島記念では13着と結果を残せませんでした。

6歳（2022年）の京都金杯、東京新聞杯と低迷が続いた後、2月7日にシルクホースクラブが現役引退を発表。2月10日付で競走馬登録を抹消され、故郷のノーザンファームで繁殖牝馬としての第二のキャリアをスタートさせました。

ディアンドルの母グリューネワルトは中央競馬で2勝を挙げ、近親にはデイリー杯2歳ステークス優勝馬シェーンヴァルトがいます。その血統背景も、ディアンドルの活躍を支えた要因の一つと言えるでしょう。

デビュー当初は目立たない存在だったディアンドルが、成長と努力によって重賞2勝という輝かしい実績を残し、繁殖牝馬として新たな未来へと歩みを進めていく様子は、競走馬としての生き様、そして努力の大切さを改めて教えてくれる物語と言えるでしょう。彼女の今後の繁殖成績にも期待がかかります。

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