ディオ (バンド)

ディオ (Dio) : ヘヴィメタル界の巨星、ロニー・ジェイムス・ディオが率いたバンド

ディオは、アメリカ合衆国出身のヘヴィメタル・バンドであり、伝説的なヴォーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオが主宰していました。レインボーやブラック・サバスといった名だたるバンドでの活動を経て、自身の音楽性を追求するために結成されました。1980年代の英米メタルムーブメントを牽引する存在でしたが、2010年にロニー・ジェイムス・ディオが逝去したことにより、その活動に幕を閉じました。

バンドの歴史

1982年、ロニーはブラック・サバスを脱退し、同じく脱退したドラマーのヴィニー・アピス、かつてレインボーで共にしたベーシストのジミー・ベイン、元ラットのギタリスト、ジェイク・E・リーと共にディオを結成しました。しかし、ジェイクは音楽性の違いから短期間で脱退し、後任にヴィヴィアン・キャンベルが加入しました。このメンバーで、1983年にイギリスのレディング・フェスティバルに出演し、アルバム『情念の炎～ホーリィ・ダイヴァー』でデビューしました。その後、キーボーディストのクロード・シェネルも加わり、5人編成で活動を始めました。

バンドはその後もメンバーチェンジを繰り返しました。1986年にはヴィヴィアンが脱退し、クレイグ・ゴールディが加入。翌年には『ドリーム・イーヴル』をリリースしました。1989年にはジミーとヴィニーが脱退し、テディ・クックとサイモン・ライトが加入し、『ロック・アップ・ザ・ウルブス』を発表しました。1991年には、ロニーがブラック・サバスに復帰したため活動を休止しますが、1993年に再離脱し、ロニー、ヴィニー、トレイシー・G、ジェフ・ピルソン、スコット・ウォーレンのラインナップで活動を再開しました。

ディオの音楽性は、ロニーがレインボーやブラック・サバスで培ってきた幻想的な歌詞の世界観と、ヘヴィメタルの様式を巧みに組み合わせたもので、世界中で多くのファンを魅了しました。しかし、メンバーチェンジが多く、音楽性も変遷を続けました。特に、ブラック・サバス再脱退後の『ストレンジ・ハイウェイズ』、『アングリー・マシーンズ』では、モダンヘヴィネス的な音楽を得意とするトレイシー・Gをギタリストに起用したことで、バンド本来の幻想的な世界観やメロディアスさが失われ、ファンからの批判を受けました。しかし、クレイグ・ゴールディが復帰した次作『マジカ』で、本来の持ち味を取り戻しました。

2006年、ロニーはブラック・サバスのアルバム『悪魔の掟』制作時のメンバーで「ヘヴン・アンド・ヘル」名義での活動を開始しましたが、ディオとしての活動も並行して行いました。同年には「LOUD PARK 2006」にコ・ヘッドライナーとして出演しました。2008年にはヨーロッパ限定のミニツアーを行いましたが、その後ロニーがヘヴン・アンド・ヘルに専念するため活動を休止しました。2010年 5月16日、ロニーが胃癌で逝去し、バンドは再開することなく実質的に解散しました。

ロニーの死後、残されたメンバーは「ディオ・ディサイプルズ」として活動を開始し、その後、ヴィヴィアン・キャンベル、ジミー・ベイン、ヴィニー・アピスらオリジナルメンバーを中心とした「ラスト・イン・ライン」も活動を始めました。2016年にはドイツのHR/HMフェスでロニーのホログラムが公開され、翌年からはディオ・ディサイプルズのバンド帯同による世界ツアーが開始されました。

バンドのメンバー構成

最終ラインナップ

ロニー・ジェイムス・ディオ (Ronnie James Dio) - ボーカル (1982年–2010年)
クレイグ・ゴールディ (Craig Goldy) - ギター (1986年–1989年、1999年–2001年、2004年–2005年、2006年–2010年)
ルディ・サーゾ (Rudy Sarzo) - ベース (2005年–2010年)
サイモン・ライト (Simon Wright) - ドラムス (1989年–1991年、1998年–2010年)
スコット・ウォーレン (Scott Warren) - キーボード (1993年–2010年)

旧メンバー

ギター

ジェイク・E・リー (Jake E. Lee)（1982年）
ヴィヴィアン・キャンベル (Vivian Campbell)（1982年–1986年）
ローワン・ロバートソン (Rowan Robertson)（1989年–1991年）
トレイシー・G (Tracy Grijalva)（1993年–1999年）
ダグ・アルドリッチ (Doug Aldrich)（2001年–2004年、2005年–2006年）

ベース

ジミー・ベイン (Jimmy Bain)（1982年–1989年、1999年–2004年）
テディ・クック (Teddy Cook)（1989年–1991年）
ジェフ・ピルソン (Jeff Pilson)（1993年–1997年、2004年–2005年）
ラリー・デニンソン (Larry "Bones" Dennison)（1997年–1999年）

ドラムス

ヴィニー・アピス (Vinny Appice)（1982年–1989年、1993年–1998年）

キーボード

クロード・シェネル (Claude Schnell)（1983年–1989年）
イェンス・ヨハンソン (Jens Johansson)（1989年–1991年）

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『情念の炎～ホーリィ・ダイヴァー』 - Holy Diver (1983年)
『ラスト・イン・ライン』 - The Last In Line (1984年)
『セイクレッド・ハート』 - Sacred Heart (1985年)
『ドリーム・イーヴル』 - Dream Evil (1987年)
『ロック・アップ・ザ・ウルブス』 - Lock Up The Wolves (1990年)
『ストレンジ・ハイウェイズ』 - Strange Highways (1994年)
『アングリー・マシーンズ』 - Angry Machines (1996年)
『マジカ』 - Magica (2000年)
『キリング・ザ・ドラゴン』 - Killing The Dragon (2002年)
『マスター・オブ・ザ・ムーン』 - Master Of The Moon (2004年)

ライブ・アルバム

『インターミッション』 - Intermission (1986年)
『ディオズ・インフェルノ:ザ・ラスト・イン・ライヴ』 - Inferno: Last in Live (1998年)
Evil Or Divine (2005年)
『ホーリー・ダイヴァー・ライヴ』 - Holy Diver Live (2006年)
『ライヴ・アット・ドニントン83&87』 - At Donington UK: Live 1983 & 1987 (2010年)
『ディオ～セイクレッド・ハート・ライヴ1986 コンプリート・ヴァージョン』 - Finding The Sacred Heart: Live In Philly 1986 (2013年)
『ライヴ・イン・ロンドンハマースミス・アポロ 1993』 - Live in London, Hammersmith Apollo 1993 (2014年)
Chasing Rainbows - Live At The Coliseum Washington 1984 (2014年)

コンピレーション・アルバム

『ダイアモンズ - ベスト・オブ・ディオ』 - Diamonds: Best Of Dio (1991年)
Anthology (1997年)
Very Beast Of Dio (2000年)
Anthology Vol 2 (2001年)
Anthology - Stand Up And Shout - (2003年)
Metal Hits (2005年)
Rock Legends (2008年)
『ザ・ロニー・ジェイムズ・ディオ・ストーリー:マイティア・ザン・ザ・スウォード』 - Mightier Than the Sword (2011年)
The Very Beast of Dio Vol. 2 (2012年)
『ザ・シングルズ・ボックス』 - The Singles Box Set (1983-1993) (2012年)
Snapshot (2013年)
A Decade of Dio: 1983-1993 (2016年)

DVD

『イーヴィル・オア・ディヴァイン』 - Evil Or Divine (2003年)
『ウィ・ロック』 - We Rock (2005年)
『ホーリー・ダイヴァー・ライヴ』 - Holy Diver Live (2006年)

日本公演

1985年 SUPER ROCK '85 IN JAPAN
1986年中止
1986年
1987年 JAPAN AID 2nd
1996年
1997年
2000年
2005年
2006年 LOUD PARK 06

外部リンク

* DIO / RonnieJamesDio.com - Official Site of Ronnie James Dio

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