ディザスター・アーティスト

映画『ディザスター・アーティスト』：伝説的迷作誕生の舞台裏

『ディザスター・アーティスト』（原題: The Disaster Artist）は、2017年に公開されたアメリカのコメディ映画です。ジェームズ・フランコが監督・主演を務め、彼の弟であるデイヴ・フランコも出演しています。本作は、グレッグ・セステロとトム・ビゼルが2013年に発表したノンフィクション『The Disaster Artist』を原作としており、映画史上最低の映画として知られるカルト的人気作品『ザ・ルーム』の製作過程をコミカルに描き出しています。

あらすじ

1998年、俳優を目指してサンフランシスコの演技学校に通うグレッグ・セステロは、そこで一風変わった男、トミー・ウィゾーと出会います。ウィゾーの奇妙な風貌、独特なアクセント、エキセントリックな言動、そして過去を一切語らないというミステリアスな雰囲気に、グレッグは次第に惹かれていきます。

演技指導講師から酷評されるウィゾーを見たグレッグは、刺激を求めてロサンゼルスへ引っ越すことを決意。それが功を奏し、グレッグは芸能事務所との契約に成功、恋人もできます。しかし、ウィゾーはオーディションに落ち続け、親友の成功に嫉妬心を抱き始めます。焦燥感を募らせるグレッグが冗談で「自分たちで映画を作ろう」と提案したところ、ウィゾーはそれを真に受け、『ザ・ルーム』の脚本を書き始めるのです。

ウィゾーは資金や機材、スタッフを次々と集めますが、映画製作の知識や経験は皆無。案の定、撮影現場は大混乱に陥ります。果たして、彼らは無事に映画を完成させることができるのでしょうか？

キャスト

トミー・ウィゾー：ジェームズ・フランコ
グレッグ・セステロ：デイヴ・フランコ
サンディ・シュクレア：セス・ローゲン
フィリップ・ハルディマン：ジョシュ・ハッチャーソン
ダン・ジャンジギアン：ザック・エフロン
ジュリエット・ダニエル：アリ・グレイナー

その他、豪華キャストが多数出演しています。

製作の背景

セス・ローゲンが設立したPoint Grey Picturesが、2014年に『The Disaster Artist』の映画化権を獲得。ジェームズ・フランコは、本作を『ブギーナイツ』と『ザ・マスター』を組み合わせたような作品にしたいと語りました。

トミー・ウィゾーは当初、自身を演じられるのはジョニー・デップだけだと主張していましたが、最終的にはジェームズ・フランコが演じることを認めました。

評価

本作は、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭でのプレミア上映後、スタンディングオベーションが起こるほどの高い評価を受けました。Rotten Tomatoesでは91%の支持率、Metacriticでは76/100点を獲得しています。

批評家からは、映画製作の裏側を痛快かつ魅力的に描き出し、『ザ・ルーム』の製作過程を繊細に描写している点が評価されています。

トミー・ウィゾーの反応

トミー・ウィゾーは本作を鑑賞後、「99点の出来映えだ」と称賛しました。ただし、フットボールのシーンの扱い方には不満を漏らしているようです。また、別のインタビューでは、「冒頭の照明がやや弱かった」と語っています。

余談

本作のプロモーションの一環として、『ザ・ルーム』のワンシーンを再現するコンテストが開催され、大きな話題となりました。また、ジェームズ・フランコはトミー・ウィゾーを第75回ゴールデングローブ賞の授賞式に同伴し、主演男優賞を受賞しています。

まとめ

『ディザスター・アーティスト』は、映画史に残る迷作『ザ・ルーム』の製作秘話を、笑いと感動で包み込んだ傑作コメディです。映画ファンはもちろん、そうでない人も楽しめる作品となっています。

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