ディス・クリスマス

2012年、映画『グリース』での共演で知られるジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン＝ジョンという、長年の絆で結ばれた二人のスターがタッグを組み、心温まるクリスマスアルバム『ディス・クリスマス』（This Christmas）をリリースしました。俳優として確固たる地位を築いているトラボルタと、世界的な歌手として活躍を続けるニュートン＝ジョン。彼らがホリデーシーズンに向けて届けたこの作品は、リスナーを温かく包み込むような魅力に満ちています。

このアルバムの最大の特徴の一つは、その驚くほど豪華なゲストアーティストの顔ぶれにあります。各界のレジェンドたちが二人の呼びかけに応じ、特別なコラボレーションが実現しました。

例えば、スムースジャズ界の巨匠ケニー・Gを迎えた「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」（Rockin' Around the Christmas Tree）は、クラシックなクリスマスソングに洗練されたサックスの音色を加えています。また、不世出の歌姫バーブラ・ストライサンドとの共演による「クリスマスは家に帰ろう」（I'll Be Home for Christmas）は、情感豊かなヴォーカルが印象的です。

タイトルチューンである「ディス・クリスマス」（This Christmas）では、ジャズピアニストのチック・コリアが参加し、楽曲に深みとグルーヴを与えています。さらに、イギリスのロック界の重鎮クリフ・リチャードとは「メリー・リトル・クリスマス」（Have Yourself a Merry Little Christmas）でハーモニーを奏で、往年のスタンダードをしっとりと歌い上げています。

ジャズ界からはもう一人、偉大なヴォーカリストであるトニー・ベネットと、伝説的なカウント・ベイシー・オーケストラも参加。「ウィンター・ワンダーランド」（Winter Wonderland）では、彼らならではのスウィング感あふれる演奏とヴォーカルが、楽曲に新たな命を吹き込んでいます。

さらに、フォークロックの第一人者ジェームス・テイラーは「ひいらぎの枝で飾れ」（Deck the Halls）に参加。彼の温かく柔らかな歌声が、クリスマスの陽気な雰囲気を表現しています。

これらの豪華なコラボレーションに加え、アルバムには「外は寒いよ」（Baby, It's Cold Outside）、「きよしこの夜」（Silent Night）、「クリスマス・ワルツ」（The Christmas Waltz）、「ホワイト・クリスマス」（White Christmas）、「クリスマス・ソング」（The Christmas Song）といった、時代を超えて愛されるクリスマスの名曲たちが多数収録されています。二人の息の合ったデュエットや、それぞれのソロ歌唱で、これらのスタンダードが新たな装いを見せています。

また、オリジナルの新曲と思われる「アイ・シンク・ユー・マイト・ライク・イット」（I Think You Might Like It）も収録されており、このアルバムに新鮮な彩りを加えています。そして、アルバムの最後を飾るのは、「オールド・ラング・サイン/クリスマス・タイム・イズ・ヒアー」のメドレー（Auld Lang Syne / Christmas Time Is Here）。過ぎゆく年を惜しみつつ、来るべき新しい時への希望を感じさせるような、感動的なフィナーレとなっています。

『ディス・クリスマス』は、単なるクリスマスソング集にとどまらず、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン＝ジョンの長年の友情の結晶であり、参加したレジェンドたちとの貴重な共演記録でもあります。多様な音楽スタイルを取り入れつつ、アルバム全体を通して温かく心和む雰囲気が保たれており、ホリデーシーズンにぴったりの一枚と言えるでしょう。このアルバムは、リスナーに喜びと安らぎをもたらし、クリスマススピリットを感じさせてくれるはずです。

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