ディック・フォスベリー

ディック・フォスベリー（Richard Douglas "Dick" Fosbury, 1947年3月6日 - 2023年3月12日）は、アメリカ合衆国出身の伝説的な陸上競技選手であり、男子走高跳において革新的な跳躍技術「背面跳び（フォズベリー・フロップ）」を確立し、走高跳界に革命をもたらした人物です。

オレゴン州ポートランドで生まれたフォスベリーは、1968年メキシコシティーオリンピックにおいて、当時主流だったベリーロールとは全く異なる、背中からバーを越える背面跳びを世界で初めて披露しました。この斬新な跳躍スタイルは「フォズベリー・フロップ」と呼ばれ、その独創性と有効性から瞬く間に注目を集めました。フォスベリー自身もこの跳躍法で2m24の五輪新記録を樹立し、金メダルを獲得しました。

オリンピック以前から、フォスベリーは「フォズの魔法使い」という愛称で呼ばれていました。彼の革新的な技術は、それまでの走高跳の常識を覆し、多くの選手やコーチに影響を与えました。フォズベリー・フロップは、その後数十年にわたり、走高跳の標準的な跳躍スタイルとして世界中に普及し、記録の向上に大きく貢献しました。

競技引退後も、フォスベリーは社会活動にも積極的に参加しました。2019年1月には、アイダホ州ブレイン郡の郡政委員（民主党）に就任し、地域社会に貢献しました。

2023年3月12日、フォスベリーは悪性リンパ腫の再発により76歳で亡くなりましたが、彼の残した功績は、走高跳の歴史に永遠に刻まれています。フォスベリーの革新的な精神とスポーツへの貢献は、これからも多くの人々にインスピレーションを与え続けるでしょう。

関連情報

フランスのバンド、タヒチ80は、2005年にフォスベリーの名を冠したアルバム「フォスベリー」をリリースしています。
アヴィーチーの楽曲「Broken Arrows」のミュージックビデオは、フォスベリーの跳躍にインスパイアされた物語が描かれています。

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