ディバイド郡 (ノースダコタ州)

ノースダコタ州の北西端に位置するディバイド郡（英: Divide County）は、アメリカ合衆国における行政区画の一つです。カナダとの国境に接するこの郡は、1910年に設立され、郡政府の中心機能はクロスビー市に置かれています。クロスビーは、ディバイド郡の中で最も人口の多い自治体でもあります。近年の人口動態を見ると、2010年の国勢調査では人口が2,071人と記録されており、これは2000年の2,283人から約9.3パーセントの減少を示しています。

歴史

ディバイド郡の設立は、1910年11月に行われた一般選挙での住民投票の結果に基づいて行われました。この投票により、それまで存在したウィリアムズ郡が二つに分割されることが決定し、新しい郡が誕生しました。郡名の「ディバイド（Divide）」は、まさにウィリアムズ郡が分割された出来事に由来するという説が最も有力です。しかし、それだけでなく、メキシコ湾へ流れ込む河川流域とハドソン湾へ流れ込む河川流域を分ける「大陸分水界」の近くにあること、そしてカナダとの国境線に面しているという地理的な特徴も、郡名の選定に影響を与えた可能性が指摘されています。郡政府は1910年12月9日に正式な組織としての活動を開始し、設立当初から現在に至るまで、クロスビーが郡庁所在地として変わらず機能しています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局の公開データによると、ディバイド郡の総面積は約3,351.4平方キロメートル（約1,294平方マイル）に及びます。そのうち、陸地が約3,263.4平方キロメートル（約1,260平方マイル）を占めており、水域は約90.6平方キロメートル（約35平方マイル）で、水域率は全体の約2.68パーセントとなっています。郡内の主要な交通インフラとしては、南北に走るアメリカ国道85号線や、ノースダコタ州道5号線、40号線、42号線などがあり、これらの道路が地域内の移動や外部との連携を支えています。隣接する地域は多岐にわたり、東にはバーク郡、南にはウィリアムズ郡、西にはモンタナ州のシェリダン郡があります。特に北側はカナダとの国境に直接接しており、サスカチュワン州のレイクアルマ8号、スアリス7号、カンブリア6号、エステバン5号といった地域と境を接しています。

経済

ディバイド郡の経済活動の中心は、古くからの基幹産業である農業と、近年重要性を増している石油産業です。ノースダコタ州西部地域に共通する特徴として、ディバイド郡もウィリストン盆地の一部に位置しており、特にバーケン地層が広がっていることから、豊富な石油資源の埋蔵が期待されています。これらの産業が郡の経済を牽引し、地域住民の生活を支えています。

観光

観光の観点からは、ライティングロック郡区にあるライティングロック州立歴史史跡が注目すべきスポットです。この史跡では、古代の人々によって岩に刻まれた図像、すなわちペトログリフを見学することができます。これは地域の歴史や先住民文化に触れることができる貴重な文化遺産となっています。

自治体

ディバイド郡内にはいくつかの自治体が存在します。郡庁所在地のクロスビーを含む、アンブローズ、フォーチュナ、ヌーナンといったコミュニティが「市」として法人化されています。ノースダコタ州では、人口規模に関わらず、法人化された全ての自治体が「市」として扱われるという特徴があります。これらの「市」以外にも、アルカボのようなその他の町が郡内に点在しています。

人口

郡の人口に関する情報は、アメリカ合衆国の国勢調査によって定期的に収集、公開されています。例えば、2000年の国勢調査では、ディバイド郡の人口構成に関する詳細な統計データが記録されています。また、10年ごとの人口推移を確認することで、郡の人口がどのように変動してきたかを把握することができます。先述のように、直近のデータでは人口の減少傾向が見られます。

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