ディバインフォース

ディバインフォース：神聖なる力の軌跡

2016年4月5日生まれの競走馬、ディバインフォース。その名は「神聖な力」を意味し、その名に相応しい力強さと、時に繊細な走りを見せた馬である。2歳時は8戦2敗と結果を残せなかったものの、3歳シーズンからその真価を発揮し始める。

3歳時は、未勝利戦を制覇すると、東京優駿（日本ダービー）トライアルの青葉賞に挑戦するも13着に敗れる。その後も1勝クラス、2勝クラスのレースを経験し、菊花賞では16番人気ながら4着と健闘を見せた。しかし、勝ちきれないレースが続き、4歳シーズンは苦戦が続いた。

転機が訪れたのは5歳シーズン。2勝クラスのレースで圧巻の差し切り勝ちを収め、2分35秒8というコースレコードを樹立する。このレースでは、ハイペースの展開の中、後方から追い上げ、メンバー最速の上がりで3馬身差をつけて勝利した。その潜在能力の高さを証明する勝利であった。

続くGI天皇賞（春）では15着と大敗するも、10月31日に行われた古都ステークスで1番人気に推される。しかし、惜しくも4着に敗れた。そして迎えたのが、GIIステイヤーズステークス。3600mという長距離レースで、初コンビを組んだ田辺裕信騎手との絶妙なコンビネーションが光った。中団後方で脚を溜め、最後の直線で力強い末脚を発揮。逃げ粘るアイアンバローズをゴール寸前で差し切り、重賞初制覇を果たした。田辺騎手は、レース後のインタビューで「直線に向くまでどれだけ脚を余して来られるか」という戦略が功を奏したと語っている。

6歳シーズンは、GII日経賞で11着と大敗。2年連続での挑戦となった天皇賞（春）では落鉄の影響もあり、12着に敗れた。その後も、札幌日経オープン5着、京都大賞典7着と精彩を欠いたものの、ステイヤーズステークスでは3着と健闘を見せ、その能力の高さを再び示した。しかし、7歳シーズン、左前脚の中筋腫れにより阪神大賞典への出走を回避、その後繋靭帯炎を発症したため、現役引退を決断した。3月24日付で競走馬登録を抹消され、乗馬へと転身することとなった。

ディバインフォースは、決して順風満帆な競走生活を送ったわけではない。数々の苦戦を経験しながらも、持ち前の力強さと粘り強さで、重賞制覇という偉業を達成した。その競走生活は、多くの競馬ファンに感動と勇気を与え、長く記憶に残るものとなった。血統背景にも目を向けると、母の半弟には2019年の目黒記念勝ち馬であるルックトゥワイスがいるなど、優れた遺伝子を受け継いでいたことがわかる。

ディバインフォースの競走成績はJBISサーチ、netkeiba.comなどで確認することができる。彼の活躍は、これからも語り継がれていくだろう。

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