ルックトゥワイス

ルックトゥワイス：気性と才能の狭間を駆け抜けた競走馬

2013年4月2日、北海道で誕生した競走馬、ルックトゥワイス。3200万円で落札されたサラブレッドは、恵まれた環境で育成されましたが、幼少期から気性の難しさを見せていました。馬場を嫌がるなど、飼育スタッフを悩ませることも少なくありませんでした。

3歳でデビューを迎えたものの、ゲートへの苦手意識から思うような結果を残せず、一時牧場に戻りゲート練習に励みました。その後、左回りのコースを主戦場として着実に経験を積み重ね、複勝圏内を確保するも、勝利には届きませんでした。

転機が訪れたのは、2018年12月。初めて挑んだ右回りのグレイトフルステークスで3馬身差の圧勝劇を見せつけ、オープン入りを果たしました。翌年の日経新春杯では2着と好成績を収め、さらなる飛躍を期待されました。

しかし、その後は思うような結果が出せず、勝ち切れないレースが続きました。その原因の一つとして、エンジンのかかりの遅さ、勝ち味の遅さが挙げられます。そんなルックトゥワイスに転機をもたらしたのは、目黒記念でした。

ダミアン・レーン騎手との初コンビを組んだこのレースでは、序盤からペースが速く流れたことが功を奏しました。先行勢が失速する中、ルックトゥワイスは外から鋭く差し込み、2分28秒2という日本レコードで重賞初制覇を飾りました。この勝利は、彼の潜在能力の高さを改めて証明するものでした。

目黒記念の快挙後、休養を経てアルゼンチン共和国杯に出走。その後、ランフランコ・デットーリ騎手を鞍上に、GI初挑戦となるジャパンカップに挑みましたが、10着に終わりました。このレースを最後に、ルックトゥワイスは現役を引退することとなります。

2020年2月19日、JRA競走馬登録を抹消。引退後は乗馬としての活躍が期待されていましたが、気性の荒さから断念せざるを得ませんでした。その後、認定NPO法人引退馬協会の支援を受け、栃木県宇都宮市の施設を経て、千葉県香取市の乗馬倶楽部イグレットへと移籍。現在は同牧場で、引退馬協会のフォスターホースとして穏やかな余生を送っています。2023年度からは、引退名馬繋養展示事業の助成対象馬にも選ばれ、その功績が広く認められています。

ルックトゥワイスの血統背景にも注目が集まります。母はアイルランド産馬のエスユーエフシーで、未出走でした。一方、半兄には大阪城ステークスなど5勝を挙げたミッキーパンプキン（父：ダンスインザダーク）がおり、その血を受け継いでいました。

気性の荒さという大きな壁に挑み続け、数々の苦難を乗り越え、そして華々しい勝利も手にしたルックトゥワイス。彼の物語は、競走馬としての才能だけでなく、その不屈の精神と、引退後も続く人々との温かい繋がりを物語っています。彼の功績は、多くの競馬ファンにとって忘れられないものとなるでしょう。

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