ディ・ヴェルト

ディ・ヴェルト（Die Welt）

ディ・ヴェルト（Die Welt）は、ドイツのアクセル・シュプリンガー社が発行する日刊新聞です。「ヴェルト」はドイツ語で「世界」を意味し、その名の通り、国際的なニュースにも力を入れています。1946年にハンブルクでイギリス占領軍によって創刊され、政治的には中道右派の立場を取っていますが、新聞社自身は「リベラル・世界市民的」な姿勢を掲げています。また、読売新聞と提携関係を結んでいます。

概要

ディ・ヴェルトの平均販売部数は約8万8千部で、130以上の国々で購読可能です。地域版として、ベルリン版とハンブルク版が発行されており、過去にはバイエルン版も実験的に発行されました。また、ブレーメン版には地域別刷りが添付されています。編集部はベルリンにあり、ベルリナー・モルゲンポストと提携しています。

同紙は、主要記事を要約したタブロイド版「ディ・ヴェルト・コンパクト」（約48ページ）も発行しています。これは、忙しい読者向けに、主要なニュースを手軽に把握できるようにしたものです。

ディ・ヴェルトは、アクセル・シュプリンガー社が展開する高級紙市場において、主力商品と位置づけられています。主な競合紙としては、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング、南ドイツ新聞、フランクフルター・ルントシャウなどが挙げられます。しかし、経営状況は長期的に低落傾向にあり、記事内容も競合紙に比べて劣るとの指摘もあります。

一般的に高級紙とみなされていますが、その記事内容についてはドイツ国内の学識者や上層階級からの評価は必ずしも高くありません。一方で、その記事は、日本をはじめとする世界各国の報道機関に引用されることもあります。

アクセル・シュプリンガー社は、ドイツ最大のタブロイド紙であるビルトも発行しており、ドイツのメディア業界において大きな影響力を持っています。

ディ・ヴェルトは、イギリスのデイリー・テレグラフ、フランスのフィガロ、スペインのアーベーセーと共に、ヨーロッパ日刊新聞連盟の創立メンバーでもあります。日曜日には新聞は発行されませんが、代わりに特集記事を中心とした「ヴェルト・アム・ゾンターク」という分厚い新聞が発行されます。

ヴェルト文学賞

1999年、ジャーナリストのウィリー・ハースを記念して創設された文学賞です。賞金は1万ユーロです。以下は、過去の受賞者です。

1999: ベルンハルト・シュリンク
2000: ケルテース・イムレ
2001: パット・バーカー
2002: レオン・デ・ウィンター
2003: ジェフリー・ユージェニデス
2004: アモス・オズ
2005: ヤスミナ・レザ
2006: リュトガー・ザフランスキー
2007: ダニエル・ケールマン
2008: ハンス・カイルソン
2009: フィリップ・ロス
2010: クロード・ランズマン
2011: アルベルト・オスターマイアー
2012: ゼルーヤ・シャレブ
2013: ジョナサン・フランゼン
2014: 村上春樹
2015: カール・オーヴェ・クナウスゴール
2016: ゼイディー・スミス
2018: ヴィルジニー・デパント
2019: サルマン・ラシュディ

脚注

外部リンク

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