ディーコン・ホワイト

ジェームズ・ローリー・ホワイトの野球人生

ジェームズ・ローリー・ホワイト（James Laurie White）、通称「ディーコン・ホワイト」は、1847年12月2日にニューヨーク州ケイトンに生まれたプロ野球選手で、主に内野手や捕手として知られています。彼のプロ野球シーンでの活躍は、アメリカのプロ野球リーグ誕生からの20年間にわたります。ホワイトは、ナショナル・アソシエーションの時代を含み、首位打者として2回、打点王として3回の栄冠を手にしました。

経歴の始まり

ホワイトのプロ野球キャリアは1868年、クリーブランドのフォレストシティ・ベースボール・クラブでスタートしました。彼は、主に捕手としてプレーし、チームがナショナル・アソシエーションに参加した1871年、2年連続で三割を超える打率を残しましたが、チームは成績が振るわずにリーグを脱退。1873年には、ボストン・レッドストッキングスに移籍し、3年目にはリーグ最多となる77打点を上げ、打率も.390を記録しました。これにより、ボストンはリーグを連覇することができました。

1876年にはナショナルリーグが誕生し、ホワイトはシカゴ・ホワイトストッキングス（現カブス）に所属。彼は、この年のリーグ優勝に大きく貢献し、60打点を記録して初代の打点王に輝きました。翌年には再びボストンに復帰し、打率.387でリーグの首位打者に立ち、再度ボストンをリーグ優勝に導きました。

その後、シンシナティやバッファローでのプレーを経て、バッファロー解散後はデトロイト・ウルバリンズに移籍。在籍する中で、彼は1887年にナショナルリーグ優勝を経験します。しかし、年俸高騰などの影響で、ホワイトは翌年にはピッツバーグ（現パイレーツ）に強制移籍されることになり、法廷での争いも余儀なくされることになります。

ホワイトは1890年に42歳でプレイヤーズ・リーグに参加し、そのシーズンを最後に現役を引退しました。彼は1939年に91歳でイリノイ州で亡くなりました。

野球界への影響

ホワイトの業績は長らく広く知られていませんでしたが、2008年にはアメリカ野球殿堂のベテランズ委員会により殿堂入り候補として名を連ね、2013年には正式に殿堂入りを果たしました。彼の活躍は、当時の野球界において重要な一歩であり、選手の権利を訴えた人物としても知られています。

人物像

ホワイトは非常に信心深く、常に聖書を持ち歩き教会に通っていました。彼の見た目は長い顔と物憂げな表情、そして「セイウチのような」口髭が特徴で、当時のスポーツマンとは異なる風貌を持っていました。彼は節度ある態度を貫き、タバコを吸うことはありませんでした。また、1880年代にはジョン・モンゴメリ・ウォードの呼びかけで結成された野球選手組合の設立にも積極的に関与し、選手たちの権利拡大に寄与しました。

さらに、ホワイトはその長いキャリアを通じて、多くの後輩選手たちから尊敬されていました。彼の信念や行動は、その時代のスポーツ界における選手の地位向上に寄与したと言えるでしょう。興味深いことに、彼は最後まで「地球は平らだ」と信じ続けた人物でもありました。彼の野球人生と人柄は、今なお多くの人々に影響を与えています。

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