ベテランズ委員会

ベテランズ委員会とは

ベテランズ委員会は、現役引退後20年以内（資格取得後15年以内）に全米野球記者協会（BBWAA）によってアメリカ野球殿堂入り選手に選ばれなかった選手を対象に、殿堂入り審査を行う組織です。

BBWAAの選考対象外である発展貢献者、監督、審判員、さらにはニグロリーグ関係者まで、幅広い分野から選出を行う重要な役割を担っています。選出には75%以上の得票が必要とされます。

歴史

ベテランズ委員会は、過去半世紀にわたり組織構造を変化させてきました。

1939年、ケネソー・ランディス・コミッショナーが19世紀の選手を選出するために「オールドタイマー委員会」を設立しました。同委員会は同年、5人の選手を選出し、1944年にランディス自身もメンバーに選出されました。

1953年には「ベテランズ委員会」という名称で11人のメンバーが集まり、最初の投票で6選手を選出しました。1955年以降は奇数年に2人まで選出しています。

1970年から1976年にかけて、フランキー・フリッシュとビル・テリーが選出した8人の選手は、フリッシュの影響力によって、本来の実績よりも過大に評価されたと批判されています。この問題をきっかけに、1982年に体制が刷新され、正常化されました。

2001年には選考委員が大幅に変更され、存命する殿堂入り選手や監督、フォード・フリック賞、J.G.テイラー・スピンク賞の受賞者などが選考に加わりました。しかし、2003年から2007年にかけて3回連続で選出者が出なかったため、ほぼ2001年以前の構成に戻されました。

2007年12月には、殿堂入り選手や発展貢献者、メディア関係者を含む16人の委員会が、発展貢献者部門と監督・審判員部門で各10人を候補として投票を行い、5人が新たに殿堂入りを果たしました。2008年には、殿堂入り選手の投票を2年ごと、監督・審判員・発展貢献者の投票を4年ごとに行うシステムに変更されました。

2010年からは、1871年から1946年（統合前）、1947年から1972年（黄金期）、1973年以降（拡張期）の3時代に分け、候補者は3年おきに変更されることになりました。各時代で投票できる人数も異なります。

2016年には選考方法がさらに変更され、2017年以降は4つの時代に区切って選考することになりました。

1871年～1949年 Early Baseball
1950年～1969年 Golden Days
1970年～1987年 Modern Baseball
1988年～ Today's Game

2022年には選考方法が再び一新され、2023年以降は1979年以前のClassic Baseball Eraと1980年以後のContemporary Baseball Eraに区切って選考が行われています。

選出された選手

ベテランズ委員会によって選出された主な選手は以下の通りです。

2017年 Today's Game：ジョン・シャーホルツ、バド・セリグ
2018年 Modern Baseball：ジャック・モリス、アラン・トランメル
2019年 Today's Game：リー・スミス、ハロルド・ベインズ
2020年 Modern Baseball：テッド・シモンズ、マービン・ミラー
2022年 Early Baseball, Golden Days：バック・オニール、バド・ファウラー、ミニー・ミノーソ、ギル・ホッジス、ジム・カート、トニー・オリバ
2023年 Contemporary Baseball Era Players：フレッド・マグリフ
2024年 Contemporary Baseball Era non-players：ジム・リーランド
2025年 Classic Baseball Era：デーブ・パーカー、ディック・アレン

今後の選考スケジュール

今後も以下のスケジュールで選考が行われます。

2026年 Contemporary Baseball Era Players
2027年 Contemporary Baseball Era non-players
2028年 Classic Baseball Era

資格要件

ベテランズ委員会の選考対象となる資格要件は以下の通りです。

選手：野球界の不適格リストに含まれない、10年以上プレーし、引退後21年以上経過している。
監督、審判員：10年以上務め、引退後5年以上経過している（65歳以上の候補者は引退6か月以上経過）。
発展貢献者：引退後5年以上経過している。65歳以上で現役の場合は候補検討の対象となる。

まとめ

ベテランズ委員会は、アメリカ野球殿堂の選考において重要な役割を担っています。その選考方法は時代とともに変化してきましたが、常に野球界への貢献者を正当に評価しようとする姿勢は変わっていません。今後の選考にも注目が集まります。

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