ディーレイ級護衛駆逐艦

ディーレイ級護衛駆逐艦の概要

ディーレイ級護衛駆逐艦は、アメリカ海軍の護衛艦の一種であり、特に対潜戦に特化した能力を備えています。1952年度から1955年度にかけて建造されたこの艦級は、合計13隻が製造されました。設計の基本計画番号はSCB-72です。

由来と計画

この艦級は、最初は沿岸域での船団護衛や哨戒任務を目的に、173フィート型駆潜艇の発展形として企画されました。しかし、新しいソナーや対潜前投兵器を搭載するためには、より大きな設計が必要であることが判明しました。そのため、最終的にはジョン・C・バトラー級を基に設計が進められ、必要な装備を組み込む形で完成しました。

船体と機関

ディーレイ級は平甲板型の船体設計を採用しています。艦内には、缶室と機械室が設けられ、甲板は前方3層、後方2層に配置されています。この設計には荒天時の艦の安定性を高めるための工夫が施されています。また、本級の船体はアルミニウム軽金属を多用することで、重量を40%減少させています。主機関にはフォスター・ホイーラー式90型水管缶が使用され、1軸推進となっており、20,000馬力の出力を発揮します。

装備と戦闘能力

ディーレイ級は多くの最新装備で構成されており、特に対潜戦能力が強化されています。対空捜索レーダーにはAN/SPS-6|AN_SPS-6が搭載されており、また対水上捜索レーダーとしてはAN/SPS-10が設置されています。ソナーに関しては、当初は捜索用のAN/SQS-2Bが使用されていましたが、後にAN/SQS-4|AN_SQS-4に移行し、さらに改修の中でAN/SQS-23に換装されました。

武器の面では、ディーレイ級はMk.108ここ324mm対潜ロケット砲を装備しており、この新しい対潜兵器は距離のあるターゲットに対しても有効のため期待されましたが、実際には不発率が高く、現場での評価は芳しくありませんでした。代わりに、信頼性の高いMk.32 短魚雷発射管が搭載され、短魚雷を発射できるようになっています。

また、3インチ速射砲のMk.33も装備されており、個艦防空能力を高めるために使用されています。この砲は高い発射速度と追随性能を備えており、対空防御において重要な役割を果たしています。射撃指揮はMk.63によって行われ、非常に効果的です。

配備と後継

1954年には、シンドラー委員会が本級のような精巧な護衛艦よりも、より安価で建造しやすい艦の設計が求められ、その結果、1956年度以降に建造された艦はクロード・ジョーンズ級となり、ディーレイ級の建造は終了しました。しかし、1950年代末に再び高性能化の流れが訪れ、SCB-199シリーズの艦が構想されることとなります。

このように、ディーレイ級護衛駆逐艦は戦後の護衛艦の設計において重要な位置を占めており、またその独自の設計思想は、後の艦船に対しても影響を与えました。この艦級は、後にノルウェーのオスロ級フリゲートやポルトガルのアルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ級フリゲートに引き継がれる形で発展を遂げました。

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