ディー・カイゼリン

ディー・カイゼリン：氷の女皇帝の物語

ディー・カイゼリン、別名「氷の女皇帝」は、[漫画]]『ファイブスター物語』と映画『花の詩女 ゴティックメード』に登場する、象徴的な[[ゴティックメード]です。ツァラトウストラやダッカスと並び、物語を彩る主役級の兵器として知られています。

誕生と流転

星団暦初期、統合前のフィルモア帝国（当時ドナウ帝国）で製造されました。ドナウ帝国皇帝の依頼を受け、ブラウニー・ライド博士が設計したこのGTMは、皇帝騎として誕生します。しかし、短期間で聖宮ラーンの詩女に「不戦の証」として贈られ、長きに渡り封印されるという運命を辿ります。

フィルモア帝国とミノグシア連合は、ディー・カイゼリンを攻撃してはならないと認識しています。これは、機体に消されずに残されたドナウ帝国の紋章と、詩女所有後に追加された聖宮ラーンの紋章に由来します。

星団暦2490年、ハスハ動乱をきっかけに封印が解かれます。剣聖ビザンチンが搭乗し、ガス演算システムからファティマシステムへの改修が行われました。この改修には、ブラウニー・ライド博士の子孫であるゼビア・コーターが関わったとされています。

機体性能と特徴

ディー・カイゼリンはホルダ17型、アウトメタ型ライオンフレームを採用したGTMです。駆動関節には、ツインスイング・オフセットキールやアシリア・セパレーツといった高度な技術が用いられています。

特徴的なのは、半透明の黒色装甲です。エンジン出力によって様々な色彩に変化し、安定時にはドナウ帝国を象徴する黒と白を表します。搭載エンジンは、超帝國ユニオ製の「ベタン4型」という、星団最後のAD世紀の遺産です。起動時には女性の泣き叫ぶような音が発せられますが、これはドナウ帝国製のGTMに共通する特徴です。

その美しい姿は、かつての支配者を彷彿とさせ、各国に畏怖と脅威を与えます。「氷の女皇帝」「ガラスのカイゼリン」「ゼノア・アプターブリンガー」など、様々な呼び名で呼ばれる、数奇な運命を背負ったGTMです。

歴代のパイロット

ディー・カイゼリンには、数々の名パイロットが搭乗しました。

ドナウ・ガァ・トリハロン: ドナウ帝国第三皇子。星団暦451年、詩女ベリンの護衛任務でテロリストを鎮圧した後、封印されました。
剣聖デューク・ビザンチン: 星団暦2490年、ハスハ動乱時に封印を解かれ、ハスハ独立戦争を戦いました。
ヤーボ・ビート: 星団暦2997年、ワンダン・ハレー脱走事件の解決のため、惑星アドラーへと向かいました。
デプレ・ビート: ヤーボ・ビートの娘。母からディー・カイゼリンとファティマ・コンコードを受け継ぎ、魔導大戦ではミノグシア連邦の旗騎として活躍しました。
* タワー（ショウメ・タワー）: 聖宮ラーンからファティマ・タワーと共に引き渡され、AKD皇帝の天照に渡りました。X型ミラージュに分類され「ゼノア・アプターブリンガー」と名付けられました。

映画『花の詩女 ゴティックメード』での活躍

映画では、ディー・カイゼリンはまさに主役級の活躍を見せます。その動作、スピード、そして色彩変化する装甲は、GTMの強さと美しさ、そして戦争兵器としての恐ろしさを鮮やかに表現しています。

備考

ファイブスター物語の設定改変以前は、「エンプレス・フレーム」として、炎の女皇帝ナインを模したデザインで登場していました。しかし、映画制作以降、ディー・カイゼリンに改変されました。

ディー・カイゼリンは、フィルモア帝国のディー・ウィリーズ、ディー・メロウラとパーツを共有しており、交換も可能です。

映画での駆動音は、IHIジェットサービスの協力を得て、重機タービンの音をサンプリングして使用されました。

ディー・カイゼリンは、その美しい姿と数奇な運命、そして強力な性能で、『ファイブスター物語』の世界に深く刻まれた、伝説的なGTMです。

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