デイビッド・ウェスト (バスケットボール)

デイビッド・ウェスト：堅実さと献身でNBAを駆け抜けたパワーフォワード

デイビッド・ムーラー・ウェスト（David Moorer West）は、1980年8月29日、アメリカ合衆国ニュージャージー州ティーネックに生まれました。206cm、108.9kgの体格を誇る彼は、主にパワーフォワードとしてNBAの舞台で活躍しました。

学生時代：才能の萌芽

高校時代はノースカロライナ州のガーナマグネット高校や、ヴァージニア州のハーグレーブ陸軍士官学校で過ごし、バスケットボール選手として頭角を現しました。ノースカロライナのオールファーストチームに選出されるなど、早くからその才能は注目を集めていました。

ゼイビア大学に進学後、1年目から先発の座を掴み、主力選手としてチームを牽引しました。4年間で通算16.9得点10.4リバウンドという素晴らしい成績を残し、アトランティック・テン・カンファレンスでは4年連続でリバウンド王に輝きました。また、3シーズンに渡りカンファレンスの年間最優秀選手に選ばれるなど、数々の栄誉に輝きました。大学通算で2000得点1000リバウンド以上を達成したのは、同校ではタイロン・ヒルに次ぐ2人目の快挙であり、通算228ブロックは同校最多記録となっています。最終学年の2002-03シーズンには20.1得点11.8リバウンドの成績を残し、カレッジバスケ主要個人タイトルであるアドルフ・ラップ・トロフィーとオスカー・ロバートソン・トロフィーをそれぞれ獲得。彼の功績を称え、ゼイビア大学はウェストの背番号『30』を永久欠番としました。

NBAでの活躍

ニューオーリンズ・ホーネッツ時代

2003年のNBAドラフトで、ニューオーリンズ・ホーネッツから全体18位指名を受け、NBAプレーヤーとしてのキャリアをスタートさせました。1年目は71試合に出場したものの、目立った活躍は見られませんでした。2年目は故障の影響もあり、出場試合数は30試合に留まりました。

しかし、2005-06シーズンにウェストは大きく飛躍しました。平均出場時間が30分以上に増加し、17.1得点7.4リバウンドを記録。平均得点と平均リバウンドでチームトップの成績を収めました。MIP（最も成長した選手賞）の有力候補にも挙がりましたが、受賞は逃しました。このシーズン、ホーネッツはクリス・ポールという新たな才能を得て、チームとして成長を見せました。

2007-08シーズンには、ウェスト自身もアベレージ20得点を超える活躍を見せ、初のNBAオールスターゲーム出場を果たしました。翌シーズンも21.0得点8.5リバウンドと好調を維持しましたが、2011年3月に左膝の前十字靭帯を断裂する重傷を負い、苦しい時期を過ごしました。

インディアナ・ペイサーズ時代

2011年12月、インディアナ・ペイサーズと契約。短縮シーズンとなった2011-12シーズンでは全66試合にフル出場し、怪我からの見事な復活を遂げました。2013年1月には自身初のトリプルダブルを達成するなど、チームに大きく貢献しました。

サンアントニオ・スパーズ時代

2015年、チャンピオンシップ獲得を目指し、サンアントニオ・スパーズに移籍。ベテランとしてチームを支え、プレーオフにも出場しました。

ゴールデンステート・ウォリアーズ時代

2016年、ゴールデンステート・ウォリアーズへ移籍。ケビン・デュラントらの加入もあり、チームは圧倒的な強さを誇り、ウェスト自身も念願のNBAチャンピオンを2度獲得しました。2017-18シーズンを最後に現役を引退し、輝かしいキャリアに幕を下ろしました。

プレイスタイル

派手さはないものの、基本に忠実で堅実なプレイスタイルが持ち味です。ミドルレンジからのジャンプショットを得意とし、フリースロー成功率も高い選手でした。ホーネッツ時代には、クリス・ポールとのピック&ロールからのジャンパーは、チームの重要な得点源となっていました。また、ボールハンドリングにも優れ、リバウンドやディフェンスでも才能を発揮しました。

人物

家族揃って高身長であり、既婚者で娘が一人います。腕には母校ザビエル大学を表すタトゥーが彫られています。愛称は彼の名前の頭文字と組み合わせた『DX』です。背番号は大学時代から30番を着用していましたが、ペイサーズとウォリアーズでは、それぞれ永久欠番とステフィン・カリーが着用していたため、21番と3番を着用しました。

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