デイブ・バンクロフト

デイブ・バンクロフト：華麗な守備で魅せた名遊撃手

デイブ・バンクロフト（David James Bancroft）は、1891年4月20日にアイオワ州スーシティで生まれ、1972年10月9日にこの世を去った、アメリカ合衆国出身のプロ野球選手です。ポジションは遊撃手で、右投げのスイッチヒッターでした。

卓越した守備技術から「Beauty（ビューティー）」というニックネームで呼ばれ、多くのファンを魅了しました。

プロ野球選手としての道のり

1915年、ポートランド球団からフィリーズに昇格し、メジャーデビューを果たします。1年目から遊撃手のレギュラーとして活躍し、同年のワールドシリーズにも出場しました。フィリーズには5年間在籍した後、1920年シーズン途中にジャイアンツへ移籍。

当時ジャイアンツの監督だったジョン・マグローが、彼のガッツを高く評価し、獲得を熱望したことが移籍のきっかけでした。また、この年から導入された「飛ぶボール」の影響もあり、デビュー当初は.250前後だった打率も徐々に向上し、1921年には自身初の3割をマーク。同年には5年ぶりとなる本塁打も放ちました。

ジャイアンツ移籍後は、ほぼ全ての試合で先発出場。1920年から1922年の間には、遊撃手としての刺殺数、補殺数、併殺数の全てでリーグ最多を記録し、1922年には刺殺・補殺数の合計で「984」というリーグ記録を打ち立てました。

1924年には、ケーシー・ステンゲルらとともにブレーブスに移籍し、選手兼任監督に就任。しかし、チームは53勝100敗と大きく負け越し、監督在任期間中、ブレーブスが5割を超えることはありませんでした。1928年に兼任監督を退任しブルックリンへ移籍、翌年には2000本安打を達成しました。1930年にジャイアンツへ復帰しましたが、10試合程度の出場で現役を引退しました。

1971年、ベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入り選手に選出され、その功績が讃えられました。

プレースタイル

バンクロフトは、なんといってもその華麗な守備が持ち味でした。堅実なグラブ捌きと正確な送球で、幾度となくチームのピンチを救いました。打撃に関しても、決して長距離砲ではありませんでしたが、確実性のある打撃でチームに貢献しました。

記録とタイトル

ワールドシリーズ出場：4回 (1915, 1921, 1922, 1923年)
遊撃手最高守備率：2回 (1920, 1925年)
シーズン最多刺殺・補殺数（遊撃手）：984（1922年：歴代1位）
通算6度の三重殺（トリプルプレー）に関与

監督としての戦績

所属：ボストン・ブレーブス (1924-1927年)
戦績：249勝363敗、勝率.407
* リーグ最高順位：5位 (1925年)

デイブ・バンクロフトは、その卓越した守備とリーダーシップで、1910～30年代のメジャーリーグを彩った名選手でした。彼の残した功績は、現在も野球ファンに語り継がれています。

もう一度検索