補殺

補殺（ほさつ、Assist）

補殺は、野球やクリケットなどの競技で使用される守備記録の一つで、プレーヤーが他の選手のアウトに貢献する行為を指します。具体的には、直接アウトを奪った選手とは別に、アウトを成立させるために球を送ったり、打球の進行を助けるような行動をとった選手に記録されるものです。補殺はアシストとも称され、誤って「捕殺」と呼ばれることがありますが、正確には「補殺」が適切な表現です。

概要

アウトが記録される状況において、アウトを取るために関与した全ての選手に補殺が与えられます。たとえば、打者や走者がアウトになる際に、そのプレーを助けた複数の選手には、アウトを取るのに寄与した分だけ補殺が記録される仕組みです。また、一つのアウトが複数の選手の関与により成立した場合、その関与したすべての選手に補殺が記録されます。ただし、同じ選手がそのボールプレーで何度関与しても、その選手に対しては補殺は一度のみ記録されます。

ある選手の失策が原因でアウトが逃れた場合でも、失策がなければアウトになったと判断された場合はいずれかの選手に補殺がつくことがあります。

補殺を記録する主なプレーの例

1. 三塁手が打球を捕り一塁手へ送球しアウトを取る場合 - この場合、三塁手に補殺が記録されます。
2. 捕手が盗塁を試みた走者に対し、二塁へ送球し触球でアウトにする場合 - 捕手に補殺が記録されます。
3. 外野手が飛球を捕球し、それに続いての送球で他の選手がアウトを取る場合 - 飛球を捕球した選手および送球に関与した選手それぞれに補殺が記録されます。
4. 投手が走者をアウトにするために送球した場合で、送球したこと自体がアウトを取るための行動であれば、投手に補殺が記録されます。
5. ダブルプレイの場面で、関与した各選手に異なる補殺が記録されることがあります。

記録の特性

補殺の記録はポジションによって異なり、たとえば内野手の場合は主にゴロボールの処理から得られる記録が多くなります。一方、外野手の場合は内野への返球など走者を刺す行為によって記録されることが多いです。このため、内野手と外野手の補殺数を単純に比較することは難しいと言えます。

補殺数は選手の守備能力を示す一つの指標ですが、守備に関わるイニング数が多いほど補殺数が比例して多くなる傾向にあるため、必ずしも選手の守備力を直結して評価することはできません。特に、打球処理の機会が少ない投手や捕手は注意が必要です。

日本プロ野球とメジャーリーグにおける補殺

日本プロ野球やメジャーリーグでも補殺数として記録されるデータにはそれぞれシーズン記録と通算記録があります。日本プロ野球では特に注目され、高い補殺数を誇る選手が表彰されることもあります。

例

• - 1983年の阪神タイガース対中日ドラゴンズ戦では中日が補殺ゼロを記録しました。
• - メジャーリーグでは、外野手の補殺記録が変わってきており、特に飛距離のあるボールの導入以前のデータは注目されています。クリスティ・マシューソンやレイ・シャークは、20世紀以降の投手および捕手の補殺数における記録保持者です。

補殺は野球やクリケットにおいて、守備力や選手の貢献度を測る重要な指標であり、これを理解することでより深い観戦体験が得られることでしょう。

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