デイリークイーン

デイリークイーン（Dairy Queen）

デイリークイーン（Dairy Queen、DQ）は、アメリカ発祥のアイスクリーム・ソフトクリーム専門店として、世界中で広く知られています。その歴史は1938年に、イリノイ州グリーンリバーで、親子が販売していたソフトクリームをシャーブ・ノーブルが自身の店で取り扱い始めたことに遡ります。わずか2時間で約1,600個ものソフトクリームが売れたという記録が、その人気を物語っています。そして1940年、記念すべきデイリークイーン1号店がオープンしました。

「乳製品の女王」を意味する店名が示す通り、デイリークイーンはアイスクリームをはじめとする乳製品に強いこだわりを持っています。その品質は厳しく、アメリカの病院食にも採用されるほどです。1947年には100店舗を達成し、その後も店舗数を急速に拡大。1950年には1,446店舗、1955年には約2,600店舗にまで成長しました。

1962年には、エリアフランチャイザー制によって誕生した新会社が、創業者から商標権と店舗展開の権利を取得。その後、1970年にはナショナル・カー・レンタルに買収され、同年には全米最大の店舗数を誇る飲食店チェーンとなりました。さらに1998年には、投資家として著名なウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイによって買収され、現在に至ります。

商品の特徴

デイリークイーンの主力商品は、100％天然のフレッシュミルクで作られた「DQソフトクリーム」です。このソフトクリームは、濃厚で「逆さにしても落ちない」ことが最大の特徴です。一般的なソフトクリームのように絞り出すのではなく、2段または3段に絞り出すことで、雪だるまのように丸みを帯びた独特の形状が生まれます。

さらに、ソフトクリームをコーンカップに絞り出した後、熱く溶かしたチョコレートやキャラメルに浸けてコーティングする「チョコソフト・キャラメルソフト」も人気です。ソフトクリームの冷たさでコーティングが瞬時に固まり、パリパリとした食感が楽しめます。

その他にも、スティック型のプレッツェル、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、オニオンリングなど、バラエティ豊かなメニューを提供しています。

日本での展開

デイリークイーンは、かつて日本にも進出していました。1972年、銀座3丁目に日本1号店がオープンし、翌年にはインターナショナル・デイリー・クイーンと丸紅が共同出資で「株式会社日本デイリークイーン」を設立。その後、関西や東北、四国にも店舗を拡大しました。

しかし、1985年には丸紅の出資比率が85％に引き上げられ、1986年には東京・新宿に直営1号店をオープンしましたが、1987年には281店舗に達したものの、その後は徐々に店舗数を減らし、1999年には58店舗にまで減少しました。

1992年には、アイスクリームを中心とした高級デザートパーラー「カフェブラン」という新業態を立ち上げましたが、1996年には丸紅、山崎製パン、明治乳業の出資による「株式会社デイリークイーン・ジャパン」が設立され、既存のデイリークイーン店舗を引き継ぎました。

さらに、コーヒー、ソフトクリーム、スイーツ、サンドイッチを提供する新業態「カフェプラッツ」も展開しましたが、日本での展開は縮小へと向かい、現在では店舗は存在しません。

デイリークイーンは、その高品質なソフトクリームと多様なメニューで、世界中の人々に愛されてきたアイスクリームチェーンです。日本での展開は一度終了しましたが、その歴史と味は今も語り継がれています。

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