デイヴィッド・ペック・トッド

デイヴィッド・ペック・トッドについて

デイヴィッド・ペック・トッド（David Peck Todd, 1855年3月19日 - 1939年6月1日）は、アメリカの著名な天文学者です。彼はニューヨーク州レイクリッジで生まれ、コロンビア大学とアマースト大学で学び、1875年に卒業しました。キャリアの初期にはアメリカ海軍天文台とアメリカ編暦局で働き、後にアマースト大学で長い間教授を務めました。

教育とキャリアの軌跡

1875年から1878年にかけて、トッドはアメリカ海軍天文台に勤務し、その後アメリカ編暦局の助手として活動します。1881年から1917年にかけてアマースト大学で教授として教鞭を執り、付属天文台の長も務めました。彼は名誉教授として大学に多大な貢献をし、その後1888年にワシントン・ジェファソン大学で博士号を取得しました。

天文学界での業績

トッドは天文学における多くの重要な観測および研究に参加しました。特に1882年から1887年にかけてスミス大学とアマースト大学の天文台の建設に関与しました。また、1882年の金星の日面通過においては、リック天文台で初の写真観測を行ないました。特筆すべきは、皆既日食の観測隊に数回参加し、1887年と1896年には日本でも観測を行った点です。トッドが参加した主な観測隊には、テキサスでの1887年の日食観測や、トリポリ、ロシア、フロリダでの皆既日食観測の隊があります。

トッドは数々の業績によって、火星の衛星フォボスのクレーターや、いくつかの小惑星に彼の名前が冠されました。また、彼の妻の名前から名付けられた小惑星も存在します。

栄誉と受賞歴

トッドはアメリカ天文学会をはじめ、複数の科学哲学協会や地理協会のメンバーでした。1896年には、日本での教育に対する功績により明治天皇から感謝状を授与されました。彼はさまざまなプロジェクトや協会での活動を通じて、天文学の発展に寄与した人物です。

私生活と家庭

1879年にメイベル・ルーミス・トッドと結婚しましたが、メイベルはエミリー・ディキンソンの兄であるオースティン・ディキンソンと不倫関係にありました。この事実は大学内でも周知のもので、トッド本人もその状況を理解していたとされています。この関係は、エミリー・ディキンソンの死後の詩の出版や研究にも影響を与えました。

文献と著作

トッドの著作には、1922年に出版された『Astronomy: The Science of the Heavenly Bodies』が含まれています。他にも短編や幾つかの寄稿があり、天文学の分野での彼の専門知識が詰まった作品として評価されています。彼はまた、洗練された観測技術を用いて新しい天文学の理念を広め多くの後進に影響を与えました。

結論

デイヴィッド・ペック・トッドは、19世紀から20世紀にかけてのアメリカの天文学研究に多大なる貢献をし、多くの観測や教育活動を通じて後世にその業績を伝える重要な人物でした。彼の仕事と言業は、今なお多くの科学者に受け継がれています。

もう一度検索