デウリノの和約

デウリノの和約

デウリノの和約（英: Peace of Deulino）は、1618年12月11日に締結され、翌1619年1月4日に発効した、ポーランド・リトアニア共和国とロシア・ツァーリ国の間で結ばれた講和条約です。この条約は、ロシア・ポーランド戦争を終結させた契約であり、戦後の両国に深い影響を及ぼしました。

条約の背景

ロシア・ポーランド戦争は、主に宗教的な対立や領土を巡る摩擦から発生しました。ポーランド・リトアニア共和国は、特にカトリック教徒が多いため、ロシアの正教会と対立が生じやすかったのです。このような背景の中、両国は1618年から戦争を続けており、その結果、多くの軍事的衝突や占領が行われていました。

和約の内容

デウリノの和約によって、ポーランド・リトアニア共和国は東側に領土を広げることに成功しました。この和約が結ばれた後、1629年までの間、連合は歴史上最も広大な領土を手に入れました。特にスモレンスク周辺には新たにスモレンスク県が設置され、チェルニーヒウ周辺にはチェルニフフ県が形成されました。このような領土の獲得によって、連合は戦略的に重要な地域を掌握することができました。

さらに、和約は14年半にわたる休戦を宣言しました。この期間中、ポーランド・リトアニア共和国は内部の安定を図りつつ、周辺国との関係を再構築していくことが可能となりました。なお、ジグムント3世王の子であるヴワディスワフは戦争中にロシアの大貴族によってモスクワのツァーリとして選ばれていましたが、彼はその地位を放棄しようとしませんでした。

休戦期間の終焉

しかし、1632年にはデウリノの和約で定められた休戦期間が終了し、再び両国間の敵対関係が高まりました。ロシアは失われたスモレンスクを奪還するため、再び戦争を開始しました。この戦争はのみならず、スモレンスク戦争として知られ、その後の歴史に大きな影響を与えました。最終的には、1635年にポリャノフカ条約が結ばれ、スモレンスク戦争が終息することとなりました。この和約では、ヴワディスワフはツァーリ位を放棄することになりましたが、1618年の国境線は再確認される結果となりました。

まとめ

デウリノの和約は、ポーランド・リトアニア共和国とロシア・ツァーリ国との間の重要な講和条約であり、地域の歴史において大きな転換点となりました。この条約により、両国の国境が定められ、休戦期間が始まる一方で、争いの種も残る形となったため、その後の歴史の中で再び敵対関係に発展していくことになるのです。

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