デカン・クイーン

デカン・クイーン

デカン・クイーン（Decan Queen）は、インドで運行されている急行列車で、都市圏ムンバイとプネーを結んでいます。この列車の運行は1930年に始まり、その歴史は長いもので、特に「デカンの女王」という愛称はプネーの異名に由来しています。列車は当初、ボンベイ（現在のムンバイ）の裕福な層をターゲットに、週末にプーナを訪れるための交通手段としてサービスが開始されました。

歴史

デカン・クイーンが初めて営業運転を開始したのは、1930年6月1日でした。この列車は当初、ボンベイ都市圏のカリヤーンとプーナを結ぶものでしたが、リクエストに応じて早々にダイヤの見直しが行われ、ビクトリア・ターミナス（現在のチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス）とプーナ・ジャンクションを毎日結ぶ便利な運行体制に変更されました。

列車は最初、7両編成で、当時はインド初の食堂車と女性専用車両が含まれた点が注目されました。外観は銀色にスカーレットの装飾が施された編成や、ロイヤルブルーで金の帯を持つ編成など、視覚的にも楽しませてくれました。運行開始から、1等車と2等車の座席が設定されていましたが、1949年には1等車が廃止され、2等車が1等車に昇格し、その後1955年には3等車が連結されました。

さらに、1974年には以前の2等車が再び2等車として指定されるようになりました。1995年には新しい型式のICF客車へと替えられ、空気ブレーキが導入されたことで安全性と快適性の向上が図られました。1980年代には、2階建ての客車が搭載される時期もありました。そして、2022年以降にはLHB客車が使われ、新たに安全性と快適性を考慮した16両編成が導入されました。

車両の特徴

デカン・クイーンの客車は、LHB客車が採用されるようになった2022年以降、特別な塗装が施され、色とりどりの緑、赤、黄色が特徴的です。一部の車両には展望車「ビスタドーム」や食堂車が含まれており、特に食堂車はインドの定期列車の中で唯一の存在です。その編成は以下のように構成されています。

• - 冷房付き座席車（AC Chair Car）：4両
• - 非冷房2等座席車（Second Class Chair Car）：8両
• - ビスタドーム（Vista dome coach）：1両
• - 冷房付き食堂車（AC Dining Car）：1両
• - 非冷房2等座席緩急車（General Second class cum Guard’s brake van）：1両
• - 電源車（Generator Car）：1両

以前の客車は1995年から使用されたICF客車で、青と白のデザインが特徴でしたが、ビスタドーム車両は2021年に増結されて以来使用され続けています。

おわりに

デカン・クイーンは、ムンバイとプネーをつなぐ重要な交通機関であり、快適さ、利便性、歴史のすべてを兼ね備えています。長い歴史を持つこの列車は、今後も多くの旅人たちに愛され続けることでしょう。

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