デジレ＝エミール・アンゲルブレシュト

デジレ＝エミール・アンゲルブレシュト（Désiré-Émile Inghelbrecht, 1880年9月17日 - 1965年2月14日）は、フランスの著名な指揮者であり、作曲家としてもその才能を発揮しました。彼は1880年にパリで、音楽家の両親のもとに生まれ、幼い頃から音楽に親しむ環境で育ちました。

音楽の道を志し、パリ音楽院に進学しますが、残念ながら放校処分を受けることとなります。しかし、その才能は埋もれることなく、1911年にはドビュッシーの《聖セバスティアンの殉教》初演で合唱団を指揮するという大役を果たし、その実力を示しました。

その後、1913年にはシャンゼリゼ劇場の音楽監督に就任し、その手腕を遺憾なく発揮しました。音楽監督時代には、ムソルグスキーのオペラ《ボリス・ゴドゥノフ》のフランス語初演を指揮し、フランスの音楽界に大きな足跡を残しました。さらに、1921年にはミヨー、オーリック、オネゲル、プーランク、タイユフェールといった、当時を代表する作曲家たち（フランス6人組のデュレを除く5人）が共同で制作したバレエ《エッフェル塔の花嫁花婿》の初演を指揮し、話題を呼びました。

1934年には、フランス国立放送管弦楽団の初代指揮者という重要なポストに就任し、同楽団の発展に大きく貢献しました。彼の指揮者としての活動は、フランス音楽界において重要な位置を占めています。

また、アンゲルブレシュトは作曲家としても活動しており、その作品は多岐にわたります。ピアノ曲では《子ども部屋》（全6巻）がよく知られ、その他にも《レクイエム》やバレエ音楽《イヴの変容》など、数々の作品を残しました。

1965年、アンゲルブレシュトはパリにて生涯を閉じましたが、彼の音楽は今もなお、多くの人々に愛され続けています。指揮者として、また作曲家として、フランス音楽界に多大な貢献をした彼の功績は、決して忘れることはないでしょう。

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