デストラクター機雷

デストラクター機雷とその後継クイックストライク機雷

デストラクター機雷（またはディストラクター）は、アメリカ海軍に採用された航空機搭載爆弾の改良型であり、地雷と機雷の両方の機能を持つ多用途兵器です。この兵器は、特別な外付けキットを通常の航空爆弾に取り付けることで変化し、爆弾の爆風を利用して地中に埋設される地雷として利用されることもあれば、水面下に投下されて機雷として機能することもあります。デストラクターは「Destructor（破壊装置）」という名称の略称で、DSTとも呼ばれています。

デストラクターシリーズ

デストラクターシリーズは、Mk75デストラクター改造キットを使って通常の航空爆弾を変換し、地雷や沈底機雷にする設計がされています。この改造キットは、爆弾の頭部に信管と導爆薬を搭載し、底部には感応装置を組み込むことで、様々な使用形式が可能です。使用される爆弾は主にMk80シリーズで、それぞれ以下のように識別されます：Mk82（500ポンド）はMk36DST、Mk83（1,000ポンド）はMk40DST、Mk84（2,000ポンド）はMk41DSTです。

これらの兵器は、航空機から投下され、地雷としては衝撃により地中に埋まり、機雷としては浅深度の河口や沿岸に投下された後、磁気感応により起爆します。また、DST115Aと呼ばれる専用の機雷型もあり、これは航空機や水上艦によって詳しく設置されています。

デストラクター機雷は、過去の様々な紛争でも使用されており、例えば第三次中東戦争ではイスラエルによって、またベトナム戦争中にはアメリカによってハイフォン湾に敷設されました。

クイックストライクシリーズ

デストラクターシリーズの後を継ぐクイックストライクシリーズは、同じく航空爆弾を基に開発されました。例えば、Mk82を使用する場合、クイックストライクはMk62として知られていますが、Mk83ではMk63、Mk84ではMk64と、名称も変化します。ただし、クイックストライクシリーズは、地雷としての機能はなく、主に水上艦および潜水艦に対応した沈底機雷に特化しています。

このシリーズはデストラクターシリーズに比べて、構造が簡略化され、爆弾にキットを取り付けるだけで運用が可能となっています。1983年に採用されたMk65は、爆弾転用型ではなく、さらに高性能な目標探知装置（TDD）を装備し、磁気、振動、水圧といった様々な情報を組み合わせて目標を捉えます。また、異なる減速装置の種類が使われ、具体的にはMk15スネークアイフィンやバリュートが用いられています。このため、Mk64やMk65においてはバリュートがメインで使われています。

さらに、2014年以降はJDAMシステムを適用したクイックストライク-Jおよび、有翼グライダーとして射程を向上させたクイックストライク-ERといった新型も開発され、特定の航空機での運用が可能となっています。これらの強化型は、JDAMが運用できる機体であれば、特別な改修を行うことなく使用することができます。

要目（Mk65）

• - 重量: 2,390ポンド（1,086キログラム）
• - 全長: 128インチ（325センチメートル）
• - 直径: 29インチ（74センチメートル、フィンの径）
• - 敷設深度: 600フィート（183メートル）

このように、デストラクター機雷とその後継としてのクイックストライク機雷は、現代の海上戦術において重要な役割を果たす兵器であり、その設計思想と運用においても革新が続いています。

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