デセ

デセ(アムハラ語：ደሴ)

デセは、エチオピア北西部のアムハラ州東部に位置する都市であり、エチオピア第1号高速道路が通る交通の要衝でもあります。2015年の人口は約18万7900人と報告されています。

歴史

デセの地には、16世紀前半には「ワサル」という集落が存在していたことが、イタリア人旅行家の記録によって確認されています。20世紀初頭には、イタリアによってアスマラとアディスアベバを結ぶ電報の中継所が設置され、通信における重要性が高まりました。1904年には、イタリア人によってデセとアディスアベバを結ぶ道路が開通しました。

20世紀初頭、メネリク2世の義理の息子であるミカエル・アリがデセに拠点を置き、その後、彼の息子であるリジ・イヤスがデセで戴冠式を行いました。リジ・イヤスは、デセに宮殿と教会を建設し、都市の発展に貢献しました。

1916年、ミカエル・アリの敗北後、リジ・イヤスはデセに避難し、エチオピア北部の貴族に支援を求めました。1920年には郵便局が開業し、都市機能が拡充されました。

1935年、イタリアによる2度目の侵略の際、デセは空爆を受け、翌年にはイタリア王国によって占領されました。その後、イタリア領東アフリカの重要な拠点となり、1937年にはフランシスコ会によってデセ使徒座知牧区が開設されました。第二次世界大戦中の1941年、イタリア軍は南アフリカ軍に降伏し、デセは解放されました。

戦後の1942年、デセは全国で6都市のみが指定された「A計画都市」の一つとなり、都市計画が進められました。1954年には電話が開通し、1955年には屋外放送設備が設置され、市民がラジオ放送を聴取できるようになりました。1957年には中学校が開校し、教育水準の向上が図られました。1963年にはコンボルチャ発電所からの電力供給が開始され、都市の近代化が加速しました。

1973年には、ウォロ州の飢饉を訴える小作農による行進が行われましたが、警察によって阻止されました。1976年には、エチオピア内戦の中で革命軍と政府軍の衝突が発生し、多くの犠牲者が出ました。1989年には、エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)がデセをほぼ完全に占領しました。1995年の州再編により、デセは州都ではなくなりました。

交通

デセ市内ではセラム・バスが運行しており、公共交通機関として利用されています。また、近郊にはコンボルチャ空港があり、空の便も利用可能です。

人口

デセの人口は、1984年には約6万8千人でしたが、2015年には約18万7千人に増加しています。都市化率は79.44%となっています。

宗教と民族

デセの宗教構成は、イスラム教が約58%、エチオピア正教会が約40%を占めています。また、北東アフリカ初のスーフィズムの学校が存在します。

民族構成は、アムハラ人が約93%、ティグレ人が約4%となっています。言語は、アムハラ語が約95%、ティグリニャ語が約4%使用されています。

著名人

デセ出身の著名人としては、ソロモン朝の創始者であるイクノ・アムラクや、実業家のモハメド・アル・アムディなどが挙げられます。

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