デダロ (空母)

スペイン海軍の軽空母「デダロ」

デダロ（Dédalo）は、スペイン海軍が運用した航空母艦であり、その艦名はギリシア神話に登場するダイダロスに由来します。この空母は、元々アメリカ海軍のインディペンデンス級航空母艦「カボット」として建造されたもので、12年間もの間アメリカでモスボール化されていました。1967年にアメリカから5年の予定で貸与され、対潜空母として運用されることとなりました。

ハリアー運用への道

1972年11月8日、デダロは世界で初めてハリアーの搭載試験に成功しました。この成功を受けて、貸与されていたデダロはスペインに売却されることになります。オーバーホール時には、AV-8S マタドール（AV-8A ハリアーのスペイン海軍仕様）の配備が決定しました。垂直着陸時のハリアーの下降気流が木製甲板に損害を与えるという問題が発生しましたが、飛行甲板後半に保護金属被覆を設置することで解決しました。

1976年には、AV-8S単座機6機とTAV-8S複座機2機がスペインに到着し、1980年にはさらにAV-8S 4機が追加されました。デダロは、他のハリアー搭載空母とは異なり、STOVL（短距離離陸垂直着陸）を補助するスキージャンプ台は設置されませんでした。その代わりに、ハリアーの最大離陸重量を制限することで運用が行われました。

多様な航空機運用

デダロは、通常、対潜哨戒ヘリコプターSH-3を4機、電子戦を兼務するAB-204/AB-212を4機、そして他のヘリコプター（対潜空母として活動していた1976年までは輸送ヘリコプターCH-19を4機、他に海軍攻撃ヘリコプターAH-1Gコブラなど）とハリアーの4グループを搭載していました。最大では7グループまでの搭載が可能でした。運用期間中、デダロは300,000マイル、1,650日の航海を記録し、30,000回の離着陸を行いました。

事故と退役

運用中に、デダロは1機のAV-8Aと3機のヘリコプターAB-212ASWを事故で失いました。「プリンシペ・デ・アストゥリアス」が就役するまで、スペイン海軍の旗艦として活躍し、1989年8月に退役しました。その後、アメリカの民間団体に無償で譲渡され博物館船への転換が試みられましたが、実現することなく解体されました。

デダロの歴史を振り返る

デダロは、その運用期間中に様々な変遷を経験し、世界初のハリアー運用空母として歴史に名を刻みました。モスボール化されていたアメリカの空母が、スペイン海軍の旗艦として生まれ変わり、多くの任務をこなしたことは、その歴史における重要な一幕と言えるでしょう。その波乱万丈な生涯は、多くの人々に語り継がれることでしょう。

参考資料

• - ウィキメディア・コモンズには、デダロ (空母)に関するカテゴリがあります。
• - http://wikidelasurprise.wikispaces.com/R01+D%C3%A9dalo

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