デッドリー・ダズン

デッドリー・ダズン：第二次世界大戦下の緊迫感あふれる戦場体験

『デッドリー・ダズン』（Deadly Dozen）は、2001年にInfogramesより発売された、分隊を指揮する三人称/一人称視点のシューティングゲームです。第二次世界大戦中、ノルウェー、フランス、アフリカ、そしてドイツ本土といったナチス・ドイツの勢力下に置かれた地域を舞台に、プレイヤーはアメリカ軍特殊部隊を率いて、ドイツ軍との激しい戦闘に身を投じます。

12人の個性豊かな精鋭たち

プレイヤーは、それぞれ狙撃、隠密行動、爆薬処理など、得意とする特殊技能を持つ12人の隊員からなる精鋭部隊を指揮します。各ミッションでは、任務の性質に応じて4人の隊員を選抜し、戦場に送り込みます。隊員は自由に操作を切り替えられ、AI制御の隊員には簡単な指示を出すことも可能です。

自由度の高い戦略性

本作では、スクリプト化されたイベントは一切ありません。プレイヤーは、状況に応じて様々な戦術を駆使し、敵陣突破を目指します。隠密行動による奇襲攻撃から、正面からの激しい銃撃戦まで、プレイヤーの戦略によって戦況は大きく変化します。

映画『特攻大作戦』へのオマージュと独自性

タイトルは、映画『特攻大作戦』（The Dirty Dozen）にインスパイアされています。当初、Infogramesは同映画のゲーム化を計画していましたが、高額なライセンス料のため断念。代わりに、nFusionが映画を意識しつつも、独自の世界観を持つ作品として『デッドリー・ダズン』を開発しました。ゲーム内では、規律に問題を抱えながらも高い戦闘能力を持つ12人の兵士たちが、司令官から「今まで見た中で最も危険な12人」と評されたことから、部隊名「デッドリー・ダズン」が誕生したという設定が用いられています。

低価格と開発期間

『デッドリー・ダズン』は、いわゆるバリュータイトルとして、当時の同ジャンルゲームの平均価格よりも大幅に低い価格で販売されました。開発期間も短縮されたため、マルチプレイヤーモードは省かれ、シングルプレイヤーモードに重点が置かれた作品となっています。当初はミッションエディタも存在せず、開発スタッフはメモ帳を使ってミッションを作成していたというエピソードも残っています。

多様なインスピレーション源

本作のコンセプトは、1960年代から70年代にかけて制作された戦争映画（『戦略大作戦』、『遠すぎた橋』、『史上最大の作戦』、『バルジ大作戦』など）から多くの影響を受けています。特に映画『プライベート・ライアン』の、ダイナミックでリアルな戦場の描写は、ゲーム開発において重要な参考とされました。さらに、Squad Leader、Up Front、Battalions In Crisisといったボードゲームからもアイデアを得ています。また、ゲームシステム面ではHidden & Dangerousやジャイアンツ シチズンカブトといった作品が参考とされています。ゲームエンジンは自社開発で、当初は「nWorld」という仮称が用いられていました。

賛否両論の評価とその後

発売後、『デッドリー・ダズン』は賛否両論の評価を受けました。Metacriticでは平均点を下回るスコアでしたが、独特のゲーム性や雰囲気は多くのプレイヤーを魅了しました。

その後、2002年には太平洋戦線を舞台にした続編『デッドリー・ダズン パシフィック・シアター』がリリース。さらに、2017年にはSteamにて再リリースされ、2020年にはZiggurat Interactiveによって再リリース、バンドル販売も行われました。2022年には、グラフィックやサウンド、操作性を改良した『Deadly Dozen Reloaded』の開発も発表され、シリーズは現在も進化を続けています。

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